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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

ミンツバーグが描く“コミュニティ”は日本に根付く?
米国流マネジメントが蝕んだ企業組織を甦らせる指針

――処方箋⑰ 社員をつなぎ止める「新・日本型コミュニティ」を目指せ

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第17回】 2013年2月20日
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来日したミンツバーグ教授の
米国流マネジメント批判

 先週から来日している、カナダ・マギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授のワークショップおよびインタビューに参加する機会を得た。

 たぶん日本では過小評価されているが、ミンツバーグと言えば、北米ではマイケル・ポーターなどと並んで著名な経営学者である。

 ミンツバーグの経営論の最も特徴的な点は、戦略、分析、リーダーシップを偏重するマネジメントを批判し、「実践と学習」を重要視する点だ。現場で培われた経験と学習、職人的な実践知や直観などに重きを置き、いわゆるMBA的エグゼクティブが意思決定をトップダウンで遂行させるようなやり方を強く批判している。

 ゆえに、経営学の中では異端児扱いされることが多いが、その影響力は大きい。米国の経営学の教科書には、必ず彼の業績が紹介されていることからも、それがわかる。

 ミンツバーク教授と彼の義理の息子のフィル・レニール氏は「コーチングアワセルブス」というユニークなコンサルティングを行っている。日本では、ジェイ・フィール社が彼らと提携し、「リフレクションラウンドテーブル」という名前で、そのコンサルティングを行っている。私はそのためのテキスト翻訳の仕事をしていた縁もあり、教授の考えを直に知ることができた貴重な機会であった。

 その著作における舌鋒の鋭さとは裏腹に、実際に会ったミングバーグ教授は物静かな紳士で、丁寧に言葉を選んで物事を真摯に語ろうとする姿が印象的であった。

 約1週間の来日スケジュールの中で、彼は様々な公演やワークショップを行ったが、その中で一貫して述べていたのは、米国流のマネジメントが会社組織だけではなく、米国社会全体に対して深刻な悪影響を与えているという点と、それ故に会社組織をコミュニティとして育てなくてはならないという主張だ。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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