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【RCサクセション「ラプソディー」】
毒を発する反骨精神が宿るロックの楽しさ

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第53回】 2013年2月21日
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 まず独断です。RCサクセションが日本のロック界に果たした歴史的な役割は、モーツァルトがドイツ語オペラ(ジングシュピール)を創設したのと同じです。

 18世紀の楽都ウィーンは、民族的にはドイツ・オーストリア系で公用語はドイツ語でした。それでも、ことオペラとなるとイタリア語が標準で、誰も真面目にドイツ語のオペラを作曲しようとは考えなかったのです。モーツァルトが登場するまでは。そして、オペラはイタリア語という偏見を打ち砕き、「後宮からの誘惑」や「魔笛」など歴史に残る傑作をものにしたのです。

 さて、20世紀後半の日本です。英米で発展してきたロックは、瞬く間に日本の若者の間に浸透して、有形無形の影響を与えました。エルビス・プレスリーやチャック・ベリーからビートルズやローリング・ストーンズさらにはCCRやジミ・ヘンドリックスたち綺羅星の如きスターたちが、若者を虜にしたのです。

 ロックがロックである所以は、8ビートのリズムが英語に絶妙にマッチしたところにあります。だから、日本語でロックを歌うということには、常に微妙な違和感がありました。決して演歌や歌謡曲という訳ではないけれど、率直に言えば、これってやっぱりロックじゃないよね、まあ良くてフォークかなって感じる音楽愛好家は少なくなかったのです。もちろん、日本のミュージシャンは超優秀だから演奏能力は極めて高く、本場の英米の演奏家よりも上手い連中は多いのですが、歌となると、どうしても英語のノリが出ません。そんな時代が長く続きました。

 しかし、忌野清志郎率いるRCサクセションがそんな偏見を打破したのです(だから清志郎はモーツァルト的なのです)。

 と、いうわけで、今週の音盤はRCサクセションの「ラプソディー」(写真)です。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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