法務系資格で「リスクマネジメント」の
スキルをアピールする!

 昨今、財務会計系の資格・検定と同様に注目されているのが、法務系の資格・検定です。粉飾決算や助成金・補助金の不正受給をはじめ、品質や産地の偽装、情報漏えい、SNSでの不適切な投稿、著作権侵害、パワハラ・セクハラと、企業が関わる、あるいは、企業内での不法行為が後を絶たない世の中です。
 
 そんな背景から、企業には、近年ますます厳格なコンプライアンスが求められるようになりました。こうした不祥事が露呈し、企業トップが謝罪する様子が報道されることも珍しくありません。コンプライアンス違反は、企業の社会的信用やブランド価値を大きく損ないます。
 
 営業や販売、人事、総務など、あらゆる職種に関わる法律知識を評価する「ビジネス実務法務検定試験」の勉強を通じ、こうしたリスク回避の知識を身に付けておくことは、実に時代の要請にかなっているのです。
 
 SNSなどネットでのコミュニケーションが当たり前になっている昨今では、個人の行為が思わぬところで企業のリスクとなることもあります。「知らなかった」では済まされません。ビジネス実務法務検定試験は、「さまざまな企業活動において、どのような行為がコンプライアンス違反のリスクとなりうるか」について、実際のビジネスシーンに即した実践的な法務知識を学ぶきっかけとして最適です。
 
 これに少しハードルが高いと感じるなら、より入門的な内容の「消費者力検定」から始めてみてはいかがでしょうか。私たちの日常生活では常に消費活動が行われており、意識せずともその都度売買契約が成立しています。しかし、契約成立の要件やクーリング・オフのルールを正しく理解している人は、あまり多くないかもしれません。

 この検定では、契約の基本、インターネット取引や電子契約、個人情報保護法や製造物責任法、製品安全4法*などに関する問題が、消費者の視点から出題されます。身近な法律問題を入り口とすることで、ビジネス法務の理解を促進する手助けになるでしょう。販売士検定と同様に、小売業界を志望する人はぜひ受験してみてください。

 財務会計や法務の知識は、あらゆるビジネスに通じるパスポートです。就活での資格・検定の勉強をきっかけに、就職後も継続して知識を深めてください。必ず、将来にわたってビジネスパーソンとしての価値を高める武器になります。

* 「電気用品安全法」「ガス事業法」「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」「消費生活用製品安全法」

(資格・勉強コンサルタント 鈴木秀明)