今日の日付は2012年12月13日。投票日まで2日を切った。
多くの人が指摘するように、今回の選挙は日本の今後を、ある程度は決めることになるだろう。とても大事な選択だ。でも同時に、とても嫌な雰囲気だ。
11月のアメリカ大統領選の際には、投票日直前のハリケーン「サンディ」に対応する姿勢の違いが、ロムニーよりもオバマへの支持をより増やしたとの指摘がある。
ただしオバマ圧勝の背景は、白人エスタブリッシュメントに迎合した新自由主義経済などの政策を打ち出すことに終始する共和党の存在意義自体が、黒人やヒスパニック系の人口が既に半数を超えたアメリカでは終焉しつつあるからだと僕は考える。つまり構造的な変化だ。しかもこれは簡単には戻らない。
とはいえ「サンディ」が、オバマ再選の大きな要因になったことは確かだろう。
アメリカにおける共和党と民主党の構図を日本に置き換えれば、(第三極はともかくとしても)自民党と民主党の構図になる。ならばアメリカにおける「サンディ」に位置する要因のひとつは、投票直前に行われた北朝鮮の「事実上のミサイル発射」ということになる。
連載54回『「将軍さま」と「事実上のミサイル」その意外な共通点』で、結局は失敗に終わった2012年4月の北朝鮮のロケット発射について、日本政府と主要メディアのほとんどが何の逡巡もなく「事実上のミサイル」などと断定していることについての違和感を書いた。
今回も事情は変わらない。ほぼすべてのメディアが「事実上のミサイル」だ。だからもう一度書くけれど、ミサイルと宇宙ロケットの区別は微妙だ。共通することはロケットエンジンなどの推進装置で、違いは何を搭載するかだけ。大陸弾道間ミサイルを転用したロシアの宇宙ロケット「ドニエプル」などが典型だが、最終的に軍事目的ならミサイルだし、宇宙開発が目的ならロケットだ。そして北朝鮮は一貫して、人工衛星の打ち上げ(実験)だと主張している。ならばこれを否定する根拠はない。