ニトリPhoto:PIXTA

新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はファーストリテイリング、しまむら、ニトリホールディングス、ワークマンの「専門店(アパレル/家具)」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

四半期増収率は好調でも…
アパレル・家具業界4社で明暗

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の専門店(アパレル/家具)業界4社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(ファーストリテイリングとしまむらは22年12月〜23年2月期、ワークマンは23年1〜3月期、ニトリホールディングスは後述する特殊事情で22年12月〜23年3月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ファーストリテイリング
 増収率:26.9%(四半期の売上収益7510億円)
・ワークマン
 増収率:12.1%(四半期の営業総収入274億円)
・しまむら
 増収率:3.7%(四半期の売上高1522億円)
・ニトリホールディングス
 増収率:54.0%(四半期の売上高3163億円)※決算期変更に伴う変則決算なので参考値

 専門店(アパレル/家具)4社の中で、ニトリホールディングスは決算期変更に伴って23年3月期決算が13カ月の変則決算となっており、今回の四半期の期間が通常の3カ月ではなく4カ月となっている。そのため、今回は参考値の扱いとした。

 それ以外の3社はいずれも前年同期比で増収となった。その中でもファーストリテイリング、ワークマンは2桁増の大幅増収だった。

 しかし、ワークマンの23年3月期通期の利益面を見ると、好調とはいえない。また、変則決算のニトリホールディングスは24年ぶりの最終減益となった。

 次ページでは、各社の増収要因や利益面を詳しく解説する。