DX利権 日本カストディ銀行の悪事#2

日本カストディ銀行の調査委員会が5月にまとめた調査報告書によれば、同行の田中嘉一前社長に業務委託費を還流させるスキームには、日本IBMや野村総合研究所といった大手ITベンダーも介在していた。彼らはどのように関わっていたのか。特集『DX利権 日本カストディ銀行の悪事』(全5回)の#2は、その詳細を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

IBMや野村総合研究所も関与!
報告書で判明した不正スキーム

 日本カストディ銀行(CBJ)の田中嘉一社長(当時)を巡る疑惑の背景には、2020年7月の旧行合併でシステム統合の必要が生じたことにある。

 銀行のシステムトラブルで記憶に新しいのは、みずほ銀行だろう。

 21年にシステム障害が続発したのは、旧行のシステムを連携させる仕組みの問題に一因があった。合併後の新勘定系基幹システム「MINORI」の開発には、富士通、日立製作所、日本アイ・ビー・エム(IBM)、NTTデータら主要ベンダーが関わっていた。

 ベンダーからすれば、巨大なシステムを抱える銀行は、報酬も莫大で契約期間も長い“太客”だ。大手はいずれも金融セクターの営業に力を入れており、CBJのシステム統合作業も、是が非でも受注したい案件だったに違いない。

 実際、ダイヤモンド編集部が入手したCBJの調査報告書には、IBMや野村総合研究所(NRI)といった有力ベンダーも登場する。彼らは一体どのように疑惑に関わっていたのか。次ページで明らかにする。