突然のリストラ、貯金は350万円…絶望のおひとり様が64歳で「天職」に出会えた理由写真はイメージです Photo:PIXTA

定年後も雇用してくれると聞いていたのに、新卒から働き続けた会社が突然のリストラ…昇進せず、資格もなく、貯金も350万円しかないおひとり様女性は、窮地に陥りました。60歳を超えて、新たな職探しでぶつかる壁とは?そしてピンチを乗り越えるために必要なこととは?(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)

定年後も働けるはずだったのに61歳でリストラ…

「まさか、退職から2年も仕事に就けないとは思いもしませんでした」という日高玲子さん(現在64歳・仮名)。

 有名大学を卒業後、ゴルフがセミプロ並みの腕前だったということもあり、スポーツメーカーに入社しました。すぐに企画室に配属され喜んでいたのですが、40歳で総務部に異動、55歳になると、上司に「定年後も働けるから」と言われて直営店のゴルフ店に出向し、販売職になりました。なんとか60歳定年は延長され、ほっとしたのもつかの間、1年弱でリストラにあったのです。

 突然の解雇にもめげず、オフィスで派遣でもいいから働こうと人材ビジネス会社を訪問。履歴書を見せると、「即戦力となるのは販売だけですね」と言われ、がくぜんとしました。

 61歳で職を失い、日高さんは、初めて自分のキャリアを見つめなおしました。貯金も350万円しかなかったため、人生を充実させるには働く必要があったのです。ただ彼女のキャリアは、企画と総務、少しだけ販売を経験した接客業だけです。転職経験もないのに、なんとか自分の売りを見つけなければなりません。

 結論を先に言うと、日高さんはピンチを乗り越えて天職につくことができました。そこに至るまで、三つのポイントがありました。