1日15分のウォーキングで心身をリフレッシュ

「余暇」を自由に楽しむことで、仕事はもちろん人生全体の生産性が向上し、幸福度も高まることがわかっています。アメリカ・オハイオ州立大学のセリン・マルコック准教授らの調査によれば、「余暇」を無駄な時間だと考える人ほど、ストレスを感じやすく、落ち込みやすい傾向があることがわかっています。「余暇」の時間を大切にする人ほどポジティブで幸せを感じやすいのです。

 これまで仕事中心に生きてきた人は、「余暇」に何をすればいいかわからないと思うかもしれません。そうであれば、身近にいる人が楽しそうにやっていることを一緒にやってみるのもよいでしょう。

 ほかにも、昔好きだったことをあらためてはじめてみる。書店の雑誌コーナーやネットで見かけたちょっとでも興味のあることをはじめてみる。誘われた集まりに参加してみる。人にすすめられたことをやってみる。などなど、まずは小さな一歩を踏み出してみてください。仕事以外にも楽しめる好きなことを見つければ、新たな自分自身とも出会え、心だけでなく身体もリフレッシュするでしょう。

 なかなか忙しくて、「余暇」が取れないと感じている人もいるかもしれません。しかし、ちょっとした時間でもできることはあります。中でも気軽にできることは、身体を動かすことです。セリグマン博士は、ウォーキングをすすめています。とくに、抑うつ状態の人には運動することが効果的であるとしています。抑うつ状態とは「動きたくない」状態であり、その対極にある「動くこと」はもっとも抗うつに効果があるそうです。

 実際に運動すると、交感神経が活性化され、ポジティブな思考になりやすいとされています。筋トレがメンタルに効くと言われるのもこの理屈です。意識して笑顔をつくることで、表情筋が動き、脳が楽しいと感じて、実際に楽しい気分になっていくことと同じように、まず身体を動かすことで、自然と気分もよくなっていきます。ウォーキングは、身体の筋肉の3分の2が動くそうです。日常生活にウォーキングを取り入れれば、心身をより健康的に保てるようになるでしょう。もし、生活が仕事中心であるなら、1日15分でもよいので仕事の合間に外の空気を吸いに外に出て、ウォーキングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 余暇において大切なのは、「自ら楽しむ」という姿勢です。新しいことをはじめるとき、最初はおっくうに感じるかもしれません。しかし、今まで知らなかった世界を見たり知ったりするたびにワクワクするはずです。

 年を重ねても、まだ知らないことは、たくさんあります。自分の心と身体が楽しい状態を大切にしてください。自分が選んだことをしているという充足感は、自己肯定感にもつながっていくのです。