時間が大切なのは
「複利効果」が見込めるから

 よく長期投資はリスクを軽減するといわれるが、確かに投資期間を長期に取れば価格変動の幅は平準化することは間違いない。ただ、ここで言うリスクとはあくまでも変動の大きさのことであり、長い間には大きく上昇することもあれば暴落することもある。その変動の幅は、長期間で見ると平準化されるというだけのことである。

 したがって、長期投資でリスクを軽減したければ、単に長期に保有するだけでは駄目で、分散投資も同時に行う必要がある。

 ここでいう成功のための要因、「時間」というのは長期に投資をすることであるが、長期投資が成功につながるのは複利効果があるためである。

 例えば失われた30年など言われ、成長してこなかった日本とされているが、仮に20年前、2003年の8月から今年2023年7月末までのちょうど20年間、毎月2万円ずつ投資を続けていれば、投資総額は480万円だが、今年7月末時点での評価額は1263万円と2.6倍に増えている。

 もちろんその間、リーマンショックもチャイナショックもあり、最近ではコロナ禍の時はわずか1カ月で35%下落するという揺れにも見舞われている。そういった変動を乗り越えて長期に投資することで、確実に成果が出てくる。だから「時間」はとても大切なのだ。