24年卒の就活を中間振り返り、引く手あまただからこそ気を付けたいこと佳境を迎えた2024年卒の就活事情は、どうなっているのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

早くも2025年卒学生の夏のインターンシップが始まっている。就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第9回。今回は、現時点での2024年卒学生の就職活動の「中間振り返り総括」をお届けする。

就職活動の早期化、
長期化がますます顕著に

 企業の採用意欲の高まりは、大卒求人倍率の復調からも明確です。24卒の大卒求人倍率は1.71倍となり、前年より0.13ポイント上がりました。中長期の労働人口の減少を見据えた採用の動きは、これからも続いていくことが予想されます。

 従業員の規模別にみると、5000人以上の大手企業群では0.41倍と1倍を切り、前年からの大きな変化はありません。ただ、求人総数自体は23年卒の47,500から、24年卒では50,200と増えており、採用意欲の表れとも言えるでしょう。

 なお、300人未満の企業群では6.19倍と、前年の5.31倍より大きく伸びており、人材不足が顕著な現実が読み取れます。

 業種別に見ると、建設業、流通業の大卒求人倍率が大きく上昇しています。特に高いのは、建設業で13.74倍。前年の7.70倍から2倍近いポイントになりました。流通業でも、前年の7.77倍から大きく上がり、10.49倍に。両業態での人材不足の深刻さがわかります。一方、金融業は0.21倍、サービス・情報業は0.36倍となり、業種による求人倍率の開きはますます広がっているといえるでしょう。