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不機嫌な就活 辻太一朗

採用のプロが添削しても
“絶対に受かる”エントリーシートが作れない理由

辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]
【第10回】 2013年3月6日
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誤字脱字があれば面接に進めない!?
エントリーシートの噂に翻弄される学生

 いよいよ4月1日から倫理憲章を遵守している大手企業の面接が開始します。それを控えて、いま、エントリーシート(ES)提出のピークを迎えています。

 エントリーシートは学生にとっては大変悩ましいものです。その理由の最も大きいものは、合否のポイントが分からないということ。そのため、エントリーシートに関わるさまざまな噂が学生の間で飛び交っています。ではその噂とはどんなものがあるか。慶応大学4年生のある学生に聞いてみました。

・某通信会社では、「周囲の人を巻き込んで何かを成し遂げたエピソード」を書かないと絶対にESで落とされるらしい。明言はされていないが、同社の「求める人物像」を読むと、確かにそういう人材を求めているようだ。事実、周囲の友人を見ても、WEBテストができていたにもかかわらず、周囲を巻き込むのではなく、自分ひとりで成し遂げたエピソードを書いている人は通過していない。

・某損害保険会社では、ES提出日の深夜から採用グループが泊まり込みでESの誤字脱字をチェックして、誤字脱字があったESのみを落として面接に呼ばない、と裏選考である面接対策セミナーの場で人事課長代理が明言したという噂があった。そのため学生はこの企業にエントリーシートを提出する前には、特に念入りに、「てにをは」や、漢字の間違いをチェックしている。

・某メーカーは手書き自由記述のESだが、とにかく自分が楽しそうにしている写真を添付しないと通過しないらしい。多くの就活生がfacebookの写真をあれこれ探して、自分の一番楽しんでいる写真を付け、思い出とともにアピールしている。

・某不動産会社では、ESの内容の良し悪しに関係なく、体育会等のコネがない場合は学歴で完全にボーダーラインが引かれている。説明会の参加資格も「ESの内容を審査の上、抽選」となっていますが、完全に学歴フィルターがあるため説明会会場に行くと6人1組のグループで、東大1名、慶應経済2名、慶應法2名、早稲田政経1名という状況に。同じ慶應でも文学部は、まず通らない仕組みらしい。

 以上はあくまでも学生間の噂ですが、その噂に学生が左右され右往左往していることも事実です。

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辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]

1984年に京都大学を卒業後、(株)リクルートに入社。人事部で採用活動を担当し、延1万人を超える学生を面接する。その後、採用コンサルティング&アウトソーシングを事業内容とする(株)アイジャストを設立。毎年100社以上の採用コンサルティングを手がける。2006年にリンクアンドモチベーションとの資本提携後、同社の役員を兼務。2010年にグロウスアイを設立し、企業・教育機関へのコンサルティング、就業力を高めるコンサルティングを展開。2011年、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」を設立。著書に「面接官の本音シリーズ」、「採用力のある面接」、「就活革命」、「辻式 就職面接内定メソッド」などがある。「カンブリア宮殿」などの報道番組の出演経験あり。


不機嫌な就活 辻太一朗

学生が「就職難」にあえぐ昨今。企業側は「よい学生がいない」と嘆いている。このように学生と企業がすれ違うのは、学生の質の低下だけが理由ではない。「就職活動」そのものに問題があるためだ。この連載では、学生・企業・大学の三者の間で起こる就職活動にまつわる勘違い、ねじれを指摘していく。 

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