レーザーテックが売上高・利益で「過去最高」更新!減収・減益地獄の半導体業界で独り勝ちPhoto:PIXTA

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

半導体関連4社が減収
レーザーテックのみ売上高倍増

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は2022年2023年2~6月期の四半期(5社とも23年4〜6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京エレクトロン
 増収率:マイナス17.3%(四半期の売上高3917億円)
・ルネサスエレクトロニクス
 増収率:マイナス2.1%(四半期の売上収益3687億円)
・アドバンテスト
 増収率:マイナス25.5%(四半期の売上高1013億円)
・レーザーテック
 増収率:99.4%(四半期の売上高734億円)
・ディスコ
 増収率:マイナス9.7%(四半期の売上高540億円)

 4社が前年同期比で減収となった。中でもアドバンテストは2割超の大幅減収となった。一方、レーザーテックは唯一の増収で、売上高がほぼ倍増した。

 コロナ禍以降、世界的な半導体の不足と高需要の影響で半導体市場は好調が続いていたが、22年後半から、3~4年に一度は需要が大きく落ち込むという半導体業界の景気循環「シリコンサイクル」の谷間に入ったと見られている。

 次ページ以降では、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、各社の増減の要因を見ていく。