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小さい頃からスマートフォンに慣れ親しんできたZ世代、あるいはその次のアルファ世代が消費者のメインストリームとなりつつある今日、世界最先端のテック企業のサービスが「スマホファースト」にシフトしています。本稿では、メッセージアプリ「WeChat」の事例を中心に解説します。

BtoBでも進みつつある「スマホファースト」

 先日、地元の友人が小学生の娘さんを連れて遊びに来てくれました。その娘さんが「パパの友だちの会社って、通販のお仕事やっているんでしょ?」と私に聞くので「そうだよ」と答えたところ、こんな質問が返ってきました。

「パソコンでも、通販で買い物ができるの?」

「令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)によると、青少年(10~17歳)のインターネット利用率は97.7%と、ほぼ100%に達しています。

 そのインターネット利用率を接続機器別に見ると、「スマートフォン」が70.1%、「タブレット」が37.9%に対して「ノートパソコン」は22.4%、「デスクトップパソコン」は8.4%となっています。

 ちなみに、同調査を開始した2009年度(平成年度)では、パソコンの使用状況について67.2%が「家族と一緒に使っているパソコン」と回答しており、この10年あまりに中高生の間ですら「パソコン離れ」がかなり進んでいることがうかがえます。

 そんな現代の中高生よりさらに下の世代である小学生にとって、パソコンは文書や表計算のソフトを操作するものであっても、「アマゾンで買い物する」ものとは認識していないのも仕方ないのでしょう。

 このような、子どもの頃からスマートフォンに親しんできた「Z世代」、あるいはその次の「アルファ世代」が消費者のメインストリームとなりつつある今日、世界の最新のテック企業が提供するサービスが「スマホファースト」にシフトしていることは、これまでもさまざまな事例を通じて紹介してきたとおりです。

 さらに、今後は彼らZ世代・アルファ世代が社会に続々と進出し、労働力の中核をも担うようになります。

 それを受け、「スマホファースト」の潮流は、BtoBの世界にも徐々に浸透しつつあります。