急成長する不動産テック市場!テクノロジーが生みだす新サービスのトレンドを追う不動産テックは業界構造を大きく変えるインパクトを持ち、その市場は急拡大中  photo:PIXTA

不動産の流通・管理から生活品質の向上まで、あらゆる局面で旧来の業界構造を刷新する「不動産テック」の成長が著しい。近年はマーケットの横展開も拡大しており、新サービスの誕生にますます拍車が掛かっている。いよいよ一般家庭にも普及してきた「スマートロック」。場所を選ばず住宅やオフィスの内覧を可能にする「VR内覧」。スペースや生活用品をシェアする「シェアリングエコノミー」。――など。不動産の付加価値を高めるこれら不動産テックの主力製品・サービスの概要を見てみよう。

スマホで家の鍵を管理
進化を遂げるスマートロック 

 どんな家やオフィスにも必ず備わっている鍵。そのデジタル化が急速に進んでいる。世界を見れば、2030年には市場規模が168億ドルを超えるという予測もある。

急成長する不動産テック市場!テクノロジーが生みだす新サービスのトレンドを追うスマホの普及とともに急拡大中のスマートロック市場 写真提供:ビットキー

 日本においては、スマートフォンの普及とともに注目が集まり、14年~15年にベンチャー企業が続々と誕生。国内初の製品が発売されたのも15年だった。

 初期の頃は、主に住宅向けのBtoC製品が主流であり、従来の鍵のサムターンを覆うような形の機器を、両面テープを用いて接着する商品がメインだった。

 しかし経年劣化で剥がれ落ちてしまうようなリスクもあり、より高い安全性を誇るビルトインタイプも受け入れられていった。

  老舗の鍵メーカーとの協業で多種にわたる住宅用の鍵やサムターンを攻略するベンチャー企業が出てきた一方で、大手デベロッパーなどと連携し、新築のオフィスやマンションに標準で採用するなど、BtoB領域にも進出が進んでいる。

不動産業界で活用が進むVR内覧

 コンピューターが作り出した仮想空間を、あたかも現実であるかのように擬似体験できるVR。そして、現実世界にある建物や街のデータを使って、コンピューター上に双子のように再現するデジタルツイン。これらのテクノロジーを使い、現地に行かずとも、実際に物件を内覧しているかのような擬似体験を提供するのが「VR内覧」だ。

 かつては、パノラマ写真を活用したシンプルなものが主流だったが、近年は3DCGを用い、よりリアルな体験をもたらすサービスが登場している。