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僕は人生の宿題を果たす旅に出た
【最終回】 2013年3月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
リー・クラヴィッツ,月沢李歌子

小さなことでいい。
それが自分に合った貢献だ

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猛烈仕事人間だった主人公は、「忙しい」を理由にたくさんの人間関係を捨ててきた。学生時代の友人の娘が亡くなったことを知りながら、お悔みの手紙一通出さなかった。よき理解者だった叔母が行方知れずになっても探そうともしなかった。卒業旅行の途中で「帰国したらすぐに返すから」といって友だちからお金を 借りた。でも返さなかった。そうして旅行の思い出を語り合えるかけがえのない友だちを失った――。
どうして人を大切にできなかったのだろう。もう修復は不可能なのだろうか。
新刊『僕は人生の宿題を果たす旅に出た』(リー・クラヴィッツ著)は、リストラされたのを機に、捨ててきた人間関係を取り戻そうと決めた男の物語である。彼は、やり残した人生の宿題を10選び、職探しをする代わりに1年かけて、大切な人との再会を果たそうと決意する。
はたして彼は、人との絆を結び直すことに成功するのだろうか。
『僕は人生の宿題を果たす旅に出た』のなかからエピソードの一部を紹介する。難民キャンプで知り合った少年との約束を果たすことは難しそうだ。それでも少年のために、今の自分にできることはないのだろうか…。

子どもたちが選んだ100ドルの使い道

 僕とエリザベスは、子どもたちが大人になったときに活動的な良い市民になることを望んでいる。そこで、子どもたちが楽しんで参加できる行事をふたつ作った。
 ひとつは選挙の日に子どもたちを投票ブースに連れていき、誰に投票するかを選ぶ手伝いをさせ、レバーを引かせることだ。
 もうひとつは感謝祭の次の日に行う。
 朝食のあと、ダイニングルームのテーブルを片づけて、基金や慈善団体から届いた寄付を訴える手紙50通ほどを並べる。
 エリザベスが子どもたちひとりひとりに、100ドルがはいった封筒を渡す。もちろん、子どもたちはすぐに封筒を開け、20ドル札、10ドル札、5ドル札の束を見て大喜びする。だが、その後、慈善家に変身し、自分が気に入った目的や慈善事業を選び、それを支持する理由を述べるのだ。

 今年は予想通り、どれにするかとエリザベスに訊かれて、子どもたちは3人とも「アルツハイマー病協会」と答えた。
 2ヵ月前に、祖母のジョイスがその病と悲痛な闘いをした後に亡くなっていたからだ。
 子どもたちは、祖母に名前を思い出してもらえなくなっても、週に2度、ホスピスへ見舞いに言った。キャロラインは、我が家の犬のピップを連れてきて患者たちを励ましてもいいか、と看護師に尋ねた。
 「お祖母ちゃんがアルツハイマーの患者さんの階にいるとき、みんなとても悲しそうだった」キャロラインは言った。
 ベンにはまた別の理由があった。「この病気についてはまだわからないことばかりだから。どんな研究も重要になると思う」

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リー・クラヴィッツ

イェール大学卒業。コロンビア大学ジャーナリズム大学院で学び、六億人の読者を有する新聞折り込み雑誌『Parade』の編集長を務める。三十年以上のキャリアを持つジャーナリスト。現在、妻と三人の子どもたちとともに、マンハッタンとニューヨーク州クリントン・コーナーで暮らしている。

月沢李歌子

津田塾大学卒業後、外資系金融機関を経て翻訳家になる。主な訳書に『ラテに感謝!』『新訳 積極的考え方の力』(ダイヤモンド社)、『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法』(日本経済新聞出版社)、『スターバックス再生物語』(徳間書店)がある。


僕は人生の宿題を果たす旅に出た

出しそびれた手紙、失ってしまった大切な人との絆、果たせなかった約束――。日々の生活に追われる中で見失ってしまったものはもう取り戻せないのか。雑誌の編集長として仕事一筋の生活を続けていたリーは、ある日突然リストラにあう。自身の来し方を振り返るなかで気づいたのは、自分がいかにこれまで人間関係にいい加減だったかだ。職探しをする代わりに一年かけて不義理を償い、関係を修復しよう。そして十の心残りを果たしたあとで彼が得たものは……。

「僕は人生の宿題を果たす旅に出た」

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