口下手でもすぐに人とつながれる「ボドゲカフェ」、新しくてアナログな魅力昔は家族の団欒に登場していた、という人も多いだろう (写真はイメージです) Photo:PIXTA

立場や世代を超えて、多様な人とのコミュニケーションを図りたい。そう思っているビジネスパーソンは多いだろう。最近、その選択肢の1つとして注目を集めているのが「ボードゲームカフェ」。画面の中で展開するデジタルゲームがどんどんリッチにハイエンド化する裏で、アナログゲームがじわじわと支持を広げている。若年層だけでなく、多様な世代を受け入れる「ボードゲームカフェ」の魅力に迫る。(コンテンツプランナー 今岡由季恵)

リアル脱出ゲーム、謎解きイベント……。
じわじわ盛り上がる「画面の外のゲーム」市場

「ゲーム」というと、現代ではほぼ誰もが真っ先にゲーム機やスマートフォンの画面の中でプレイする「ビデオゲーム」(日本でいうところの「テレビゲーム」)を思い浮かべるだろう。ビデオゲームが漫画やアニメと並んで、日本が世界に誇る産業の1つであることはいうまでもない。

 しかし近年、「画面の外」でプレイするゲーム、「アナログゲーム」がじわじわと盛り上がっている。アナログゲームは電源を使わないゲームの総称だ。トランプや花札、百人一首など、昔ながらの定番カードゲームや、トレーディングカードもこれに含まれる。そしてテーブルの上に盤を広げて駒を進める「ボードゲーム」も然りだ。本場はドイツで、「ユーロゲーム」とも呼ばれる。

 イギリスの市場調査会社 Technavio(テックナビオ)によると、「世界のボードゲーム市場は2022年から2027年までに、7.55%の成長率で拡大しつづけ、市場規模は34億ドル以上に増加する」と予測されている。

 さらに「脱出ゲーム」や「謎解きイベント」といった体験型ゲームのムーブメントも見逃せない。
「リアル脱出ゲーム」は2007年に京都で開催されたのを発端に、日本各地のみならず、現在は海外でも企画・運営されている。謎解きイベントは都市や観光地だけでなく、鉄道会社や商業施設がキャンペーン企画として採用する事例も多い。有名なアニメ作品などをモチーフにしたイベントの広告やポスターを、街で見かけたことがある人も多いのではないだろうか。

 デジタルゲームが新技術を取り込んでどんどん進化する一方で、「画面の外で体験するアナログゲーム」が、大人を魅了するエンターテインメントとして存在感を増している。