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低価格時代の売上高の伸ばし方とは?

売上高の本質を考えれば、売上不振の原因も見えてくる

千賀秀信
【第9回】 2009年9月3日
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 三越伊勢丹ホールディングス傘下の三越で、正社員1000人規模の人員削減に踏み切るというリストラ策が発表されました。百貨店業界は、売上高の減少が止まらず7兆3800億円の市場規模が、将来5兆円台になるという予想が背景にあるようです。これに対してドラッグストア業界では、08年度の全国ドラッグストア売上高が07年度に比べ、5%増の5兆2336億円と伸びていますが、競争も激化しています。

 そんな中、マツモトキヨシとローソンが提携するという、競業企業が手を組む動きが出ています。新たな業態で成長を図る動きです。ユニクロを経営する絶好調のファーストリテイリングは、2010年にグループ売上高1兆円を、2020年には5兆円を目標にした戦略を描いています。

 売上高は、経営において重要な課題で、売上拡大は大変良いように見えます。しかしその裏で、いろいろな問題点も存在します。今回は、最近の売上高の伸ばし方を検証しながら、売上高の本質を考えてみましょう。

売上高アップ作戦を
3タイプに分類してみよう

 低価格志向が強まって、売上をアップさせるために、さまざまな工夫が行われています。以下の9つの売上アップのための事例をよく読んで、共通する点、異なる点は何かを考えてみましょう。そしてこれらを3つに分類してください。

(1)今年の百貨店は、7月からという慣例を破り、6月から夏物バーゲンを始めました。大手スーパーも同様です。ボーナスカットで消費者心理が厳しくなる前に、早期のクリアランスセールの実施で、売上高の確保を狙いました。

(2)買い物に応じて企業が発行するポイントが、2009年度に1兆円超える見通しです。現金通貨の流通額の1.5%に当たります。小売業、携帯電話、航空機の利用、ネット販売までさまざまな分野で、販売促進策に活用されています。ポイント発行企業は、ポイント未利用分の一定割合を引当金に計上します。ヤマダ電機は2009年3月期で、前期比2.5倍の177億円を計上しました。

(3)電子マネーも顧客獲得手段として、企業に浸透してきました。2008年までの電子マネー発行枚数(累計)は約1億3500万枚、国民1人1枚時代の到来です。EdyやSuicaで56%を占めています。流通系のイオングループの「WAON」、セブン&アイグループの「nanaco」は、グループの売上増に貢献しています。イオンは「WAON」の利用の拡大で、09年2月期にポイント引当金が71億円と36%増えました。

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千賀秀信

せんが・ひでのぶ 公認会計士、税理士専門の情報処理サービス業・株式会社TKC(東証1部)で、財務会計、経営管理などのシステム開発、営業、広報、教育などを担当。18年間勤務後、1997年にマネジメント能力開発研究所を設立し、企業経営と計数を結びつけた独自のマネジメント能力開発プログラムを構築。「わかりやすさと具体性」という点で、多くの企業担当者や受講生からよい評価を受けている。研修、コンサルティング、執筆などで活躍中。大前研一のアタッカーズ・ビジネススクール講師。著書に『新版・経営分析の基本がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『経営センスが高まる! 計数感覚がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『「ベンチャー起業」実戦教本』(プレジデント社:共著)、『会社数字がわかる計数感覚ドリル』(朝日新書)などがある。
●マネジメント能力開発研究所のホームページ
http://homepage3.nifty.com/maneji/


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「計数感覚」とは、「会社数字と企業活動の関係を理解できる力」。ビジネスパーソンなら、ぜひ身に付けておきたいマネジメント能力だ。さまざまな事例をあげながら、計数感覚で経営を考えるノウハウを提供していく。

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