5年後の業界地図2025-2030 序列・年収・就職・株価…#16Photo:PIXTA

新卒の就職者数には、企業の成長力や戦略、“序列”が色濃く表れる。中でも、高学歴学生の採用数は、企業の競争力などを分ける重要なポイントだ。そこで、特集『5年後の業界地図2025-2030 序列・年収・就職・株価…』の#16では、私立難関大である「関関同立」「MARCH」の就職者数の割合が高い企業のランキングをお届けする。これを見れば、どの企業がエリート学生を厳選採用できているのかが一目瞭然だ。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

関関同立・MARCHが
採用の中心の企業は?

 新卒採用は企業の戦略やブランディング、“格”を映し出す鏡だ。新卒採用数が増加している企業はそれだけ業績に勢いがあるといえる。また、新卒採用の絞り込みを行っている企業であっても、精鋭採用化など前向きな構造改革を進めている場合がある。

 特に企業の“序列”が如実に反映されるのが、大学別の就職者数だ。

 東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学といった国内最高レベルの難関大学の卒業生を数多く採用している企業は、それだけエリート人材を確保できているということだ。もちろん、卒業大学だけで優秀さが決まるわけではないが、高い能力を持つ人材を採用できれば、事業成長にもつながりやすい。

 実際、トップティアの大学からの採用数を強く意識している企業も多く、大学別の採用数は企業側にとっても対外的なアピールにつながる重要項目だ。

 そこで今回、大学通信提供のデータを基に、「関関同立」と「MARCH」の就職者比率が高い企業ランキングを作成した。

 具体的には、2024年3月に大学・大学院を卒業・修了した就職者数のうち、関関同立とMARCHの就職者数を集計。全大学の就職者数に対する割合を算出し、データのある400社強のうち上位300社のランキングを作成した。

 さらに、それぞれの大学の就職者数の内訳も掲載しているので、これを見れば、各企業がどの大学に強いかも一目瞭然だ。

 企業の採用ブランディング上、関関同立やMARCHは、早慶などに比べるとやや後塵を拝している感がある。それでも、国内で上位に位置する大学群だけに、企業としても“戦力”としてカウントしやすいボリュームゾーンだ。東大・京大、早慶出身者などを採用しつつも、関関同立・MARCHで幅広く人数を稼ぐといった構図の企業も存在しており、この層の学生を着実に採用できるかどうかは、企業にとっても重要な課題だ。

 ランキングを見てみると、上位にはメジャーな小売企業や実力のある金融業界の企業などのほか、学生人気の高い食品業界の企業が多数ランクインしており、“エリート志向”が顕著な大手商社やコンサルティング業界、各業界における“一番手”企業などとは一味違った企業群が登場した。

 また、関関同立に焦点を当てると、関西系企業が数多くランクインするなど、地域性も如実に表れた。必ずしも、早慶など上位の私立大学の就職者数だけでは見えない地元の名門企業の存在も浮き彫りとなった。

 トップ25社は就職者数の4割以上が関関同立・MARCHの出身者となった。関関同立・MARCHに強い企業はどこなのか。次ページで、その“序列”の全貌を大公開していく。