
企業の成長力や戦略、“序列”が色濃く表れるのが、新卒の就職者の動向だ。中でも、高学歴学生の採用数は、企業の競争力などを分ける重要なポイントとなる。そこで、特集『5年後の業界地図2025-2030 序列・年収・就職・株価…』の#10では、最難関国立大学群である「東京一工+旧帝大」の就職者数の割合が高い企業のランキングをお届けする。これを見れば、どの企業がエリート学生の厳選採用をできているのかが一目瞭然だ。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
東京一工+旧帝大の就職者比率が高いのは?
圧巻8割超えの企業も
新卒採用は企業の戦略やブランディング、“格”を映し出す鏡だ。新卒採用数が増加している企業はそれだけ業績に勢いがあるといえる。また、新卒採用の絞り込みを行っている企業であっても、精鋭採用化など前向きな構造改革を進めている場合がある。
特に企業の“序列”が如実に反映されるのが、大学別の就職者数だ。
東京大学、京都大学、早慶といった国内最高レベルの難関大学の卒業生を数多く採用している企業は、それだけエリート人材を確保できているということだ。もちろん、卒業大学だけで優秀さが決まるわけではないが、高い能力を持つ人材を採用できれば、事業成長にもつながりやすい。
実際、トップティアの大学からの採用数を強く意識している企業も多く、大学別の採用数は企業側にとっても対外的なアピールにつながる重要項目だ。
そこで今回、大学通信提供のデータを基に、「東京一工+旧帝大の就職者数の割合が高い企業ランキング」を作成した。
具体的には、2024年3月に大学・大学院を卒業・修了した就職者数のうち、最難関国立大学群である東京一工+旧帝大(東大、京大、一橋大学、東京工業大学〈現東京科学大学〉、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学)の就職者数を集計。全大学の就職者数に対する割合を算出し、データのある400社強のうち上位300社のランキングを作成した。
さらに、それぞれの大学の就職者数の内訳も掲載しているので、これを見れば、各企業がどの大学に強いかも一目瞭然だ。
東大・京大の就職者数は、企業にとっても採用力を誇示する分かりやすい指標だ。トップの企業は何と就職者の8割以上を東大などの最難関国立大が占める結果となった。また、トップ11社は最難関国立大出身者が50%以上を占めるという結果となった。
エリート志向が顕著なマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン コンサルティング グループ(BCG)などの外資系コンサルティング会社のほか、三菱商事、伊藤忠商事といったエリート学生からの支持が厚い大手商社、研究職など優秀な理系人材の採用が競争力に直結する製造業、製薬業界、IT企業、さらにはマスコミや金融、インフラ、ゲーム……。
さまざまな業界のトップ企業で、最難関国立大の就職者数の割合が多いのはどこか。次ページで、その“序列”の全貌を大公開していく。