
新卒の就職者数には、企業の成長力や戦略、“序列”が色濃く表れる。中でも、高学歴学生の採用数は、企業の競争力などを分ける重要なポイントとなる。そこで、特集『5年後の業界地図2025-2030 序列・年収・就職・株価…』の#14では、私立最難関の「早慶上理」の就職者数の割合が高い企業のランキングをお届けする。これを見れば、どの企業がエリート学生を厳選採用できているのかが一目瞭然だ。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
早慶上理の就職者比率が高いのは?
7社が50%以上
新卒採用は企業の戦略やブランディング、“格”を映し出す鏡だ。新卒採用数が増加している企業はそれだけ業績に勢いがあるといえる。また、新卒採用の絞り込みを行っている企業であっても、精鋭採用化など前向きな構造改革を進めている場合がある。
特に企業の“序列”が如実に反映されるのが、大学別の就職者数だ。
東京大学、京都大学、早慶といった国内最高レベルの難関大学の卒業生を数多く採用している企業は、それだけエリート人材を確保できているということだ。もちろん、卒業大学だけで優秀さが決まるわけではないが、高い能力を持つ人材を採用できれば、事業成長にもつながりやすい。
実際、トップティアの大学からの採用数を強く意識している企業も多く、大学別の採用数は企業側にとっても対外的なアピールにつながる重要項目だ。
そこで今回、大学通信提供のデータを基に、「早慶上理の就職者比率が高い企業ランキング」を作成した。
具体的には、2024年3月に大学・大学院を卒業・修了した就職者数のうち、私立の最難関である早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学の就職者数を集計。全大学の就職者数に対する割合を算出し、データのある400社強のうち上位300社のランキングを作成した。
さらに、それぞれの大学の就職者数の内訳も掲載しているので、これを見れば、各企業がどの大学に強いかも一目瞭然だ。
早慶上理出身者は、東大・京大などに次ぐ高学歴エリートの代表格であり、分かりやすい採用力のバロメーターになることから、企業にとっても重要な採用ターゲットだ。
特に慶應や早稲田は、“華やかな”私学のイメージもあることから、マスコミやコンサルティング会社、大手商社など学生人気の高い花形産業への就職者も多い。実際ランキング上位の顔触れを見ると、テレビ局や広告代理店、出版社に各種コンサルがずらりと並び、これらの企業の採用において、早慶がボリュームゾーンとなっている実態が浮き彫りとなった。
また、金融や不動産といった産業にも早慶上理から多数が就職しており、全体的に“高年収”が期待できる企業が上位に入っているともいえるだろう。
トップの企業の就職者は早慶上理だけで6割以上と圧倒的な数字に。さまざまな業界のトップ企業で、私学の雄の就職者数の割合が高いのはどこか。次ページで、その“序列”の全貌を大公開していく。