不動産購入「2月と3月」は要注意のワケ、“お得物件”に潜むリスクとは特に2・3月には、値引き、オプション込みサービスによる売り込みが強化される傾向にある。多くの不動産・建築会社が3月に決算の時期を迎えるためだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

値引きやオプション込みなどの
「在庫一掃セール」に要注意

 低金利などを背景とし、10年以上、高騰を続ける不動産価格。2024年も都心・駅前・駅近・大規模タワーといった好条件・高価格帯の物件のニーズは衰えず、好調に推移していくと考えている。23年に「関西タワマンの最高額」と話題になったJR大阪駅北側の再開発エリアや高倍率で注目を集めた晴海フラッグ(HARUMI FLAG)に代表される湾岸エリアなどは、その最たる例といえるだろう。

 一方で、22年から23年にかけ、マンション・一戸建て共に在庫数は増加傾向にある。資産性の高さから人気を集め価格が高騰する物件がある半面、売れない物件が在庫として積み上がっているわけだ。当然、物件を抱える不動産会社は「何としても売りたい」と営業攻勢を強めていくことになる。

 実際に住宅購入を検討した経験がある方なら、「本日までご購入いただいた方だけの特別価格」「決算キャンペーン」というセールストークを耳にしたことがあるはずだ。最初の提示価格より大幅な値引きをうたった物件もあり、「お買い得」に感じられるかもしれない。以前から興味のあるエリアであれば、なおさらだ。

 また建売住宅では、値引きではなくオプションを付けることをアピールするケースも少なくない。そもそも建売住宅の場合、購入時には最低限の設備しか盛り込まれていないことがほとんどだ。カーテンレールや照明などはオプションでの依頼が必要となるケースが大半で、このようなオプション工事込みの価格を提示し、契約を急かすケースもある。