南方からやってきた幼稚園児たちに中国全土から熱視線

 12月31日に、広西チワン族自治区から11人の3歳から6歳までの幼稚園児の団体観光客が訪れてきた。広西は砂糖橘(マンダリンオレンジ)の産地として知られるため、園児たちは自然に「小砂糖橘(小さいマンダリンオレンジ)」と呼ばれるようになった。園児たちのハルビンでの滞在時間は1泊2日でしかなかったが、超VIPの歓迎待遇を受け、全国の話題となった。

 東北各地の観光当局は目ざとくそこに自らの存在を売り込むチャンスを見つけ出し、さらに争うように盛大な歓迎体制を組んで小砂糖橘たちを迎えた。

 そして、1月3日、中国の最北部といわれる漠河消防ステーション(日本で言う防署のこと)に訪れる小砂糖橘たちの様子を配信するネット中継を、現地の各ライブポイントで最終的に延べ340万人以上が見たという。

 また、1月6日、黒竜江省テレビ局・都市チャンネル「新聞夜航」の中国版TikTok「抖音(douyin)」で、小砂糖橘たちの旅程をライブ放送したら、わずか5分間で50万人のアクセスを受けた。

「南方から来たミニポテトちゃん」を熱く、しかも優しく接待したことで、冬のハルビンは一躍、中国全国の注目の的となり、信じられないほど高く評価された。ハルビンの努力で、サービスが悪く、ぼったくりも横行するという東北地域の悪いイメージがかなり払拭されたと思う。

 人口940万人のハルビンも、元日連休の3日間で観光客を305万人受け入れ、観光収入は59.14億元(約1217億円)という史上最高の実績を記録した。さらに、マンションなどの不動産だけでも3000戸ほど南方からの観光客に買われたという。