政府の財政試算「長期金利3%台」は現実的か、かさ上げ「PB黒字化」シナリオやめろPhoto:PIXTA

成長ケースでも25年度PB赤字
長期金利見通しは金融政策と整合的か

 政府の「中長期の経済財政に関する試算」の最新版が公表された(注1)。

 毎年2回の試算が公表されているが、次の二つのケースを試算している。

 第1は「ベースラインケース」で、技術進歩などの全要素生産性(TFP)上昇率が直近の景気循環の平均並み(0.5%程度)で将来にわたって推移するシナリオだ(注2)。このケースでは中長期的に実質・名目で0%台半ばの成長となる。

 第2は、「成長実現ケース」で、TFP上昇率が、1.4%程度にまで高まるシナリオだ。中長期的に実質2%程度、名目3%程度の成長となる。

 今回の試算では、いずれのケースでも2025年度に「基礎的財政収支」(プライマリーバランス、PB)の赤字が残ることになっている(注3)。

 成長実現シナリオでも、PBは、23年度▲30.3兆円→24年度▲16.8兆円→25年度▲1.1兆円の見通しだ。ただし、歳出の効率化に努めれば「25年度のPB黒字化が視野に入る」との見通しを維持した。

「PB黒字化目標」は02年に初めてかかげられて以来、一度も達成されたことはなく、「2025年度」という目標達成時期も18年から同じだ。

 成長率見通しなどをかさ上げした上での財政再建シナリオが定着した感があるが、今回も長期金利の見通しは金融政策と整合的なのか疑問だ。こうした”悪弊”はいいかげんにやめるべきだ。