こんにちは、みえぞうです。

 今回は、フランスの東、ドイツとフランスの国境に位置するアルザス地方に焦点をあてたいと思います。

前回のロワール地方は、お城にまつわる歴史的な話が多かったですが、人に歴史あり、どの地方にも地方なりの歴史があります。

 アルザス地方は、1871年以来、フランス・ドイツの2国間で、何度も領土争いの戦争が繰り返され、ドイツ→フランス→ドイツ→フランスと4回も所有国が移り変わりましたが、この地に住む人々は「アルザス人」としての誇りや文化、ドイツ語から発祥したと言われる「アルザス語」をずっと守り続けています。町の名前の語尾にも[ブルグ]や[ベルグ]など、ドイツ語ふうの名前が多いのも、その影響を感じますね。

童話の世界のようなメルヘンチックな村々<br />煮込み料理もワインも豊かなアルザス地方木骨組の家もアルザス地方の見どころ
Photo:©Atout France/Jean François Tripelon−Jarry

 たとえば、私のフランス人の友人に、浜松で[Abondance(アボンドンス)]というお菓子屋さんを経営している、アルザス地方出身のパティシエがいます(エベルレ・ベルナールさん)。彼は、アルザス人そのもので、体はびっくりするくらい大柄ですが(会うたびに大きくなっている気がします・笑)、真面目で勤勉で、細やかな神経を持ち合わせています。おそらく、フランス人の気質を知っている人は、その几帳面な性格にびっくりするでしょう。アルザス地方がドイツの影響をかなり受けているので、一般的に「几帳面で真面目」と言われるドイツ人の気性に似ているのだと思います。日本人の気質にも通じるものを感じます。