11日間、眠らずに起き続けると人はどうなる?高校生による実験の「恐るべき結果」人は眠らないといつかは死ぬ。ラットを使った実験では2~4週間睡眠を奪われるとすべての個体が死んだ。人間の場合は、サンディエゴの高校生ランディ・ガードナーが1964年に行った実験が有名だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

 本書は睡眠にまつわるあれこれを科学的に解説したものだ。ニュートンはニュートンプレスから発行されている科学雑誌で、40年以上の歴史を持っている。分野別に情報を絞って解説しているのがニュートン別冊。この超図解新書シリーズは別冊よりもわかりやすく書かれていて、さらに短時間で読むことができるのが魅力だ。本書は睡眠について、エビデンスがあって、なおかつわかりやすい情報がほしい、という人にはもってこいの書籍である。

『ニュートン超図解新書 最強に面白い 睡眠』書影『ニュートン超図解新書 最強に面白い 睡眠』 柳沢正史監修 ニュートンプレス刊 990円(税込)

 睡眠は私たちの生活に直結するテーマだ。特別な事情がないかぎり人は毎日睡眠をとるし、それゆえに睡眠が与える健康への影響にも社会の関心は高い。けれども、脳や生理現象の知識がある人はほんの一握りだろう。睡眠は身近で関心の高いテーマであるにもかかわらず、詳しく知る機会が少ないという特殊な領域でもある。

 本書は睡眠にかんして人々が抱くであろう疑問のほとんどに答えるような内容になっている。睡眠の基本的な原理や快適な睡眠をとる方法、睡眠にまつわる健康の問題、そして他の動物の睡眠などについても詳しく説明されている。冬眠によってシマリスは若返っている可能性がある、昆虫にも睡眠がある、などのトピックスは普段気にすることもないけれども、少なからず好奇心をくすぐられるものだ。ただ我々の疑問に答えるだけでなく、新しい興味を引き出す本書は、まさに科学雑誌を発行しているニュートンの魅力がぞんぶんに発揮されているといえるだろう。