お金持ちの家に生まれ育ち、大学を卒業して間もなく結婚。3人の子どもを授かるも離婚した。実家に出戻ったものの、父親の会社が倒産し、49歳で住む家を失った。ついには預金通帳の残高がほぼ0円に……それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、裸一貫で整体院で働くようになった。自分の力で人生を切り拓いてきたとき、今度は末期寸前のがんを患うことに。そんな波乱の人生を乗り越えて「今がいちばん幸せ!」と断言する『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の著者が、毎朝起きるの楽しくなるライフスタイルを【人間関係】【食事】【睡眠】【健康】【メンタル】【ファッション】【インテリア】【パソコン】とテーマごとに紹介する。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
健康のカギを握るのは
「筋肉」
私たちの体は、おもに骨と筋肉で成り立っています。どちらも体を構成する大切な要素ですが、あえて重要なのはどちらかと問われたら、私は迷いなく「筋肉」と答えます。
お年寄りが病気をして寝ついたのを機に、そのまま寝たきりになってしまうのは、立ったり座ったりする機会がなくなり、筋肉が衰えてしまうことが大きな要因です。
若い人ですら1か月も病気で寝たきりになると、立ち上がって最初の一歩を踏み出すのがとても大変になるといいます。
筋肉が大切!
体を形づくるのは骨(骨格)ですが、骨格をスムーズに動かすのは筋肉なのです。
車に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。車のフレーム(骨)だけあっても、エンジン(心臓:心臓も筋肉でできています)が搭載されていないと動かすことができませんよね。
そんな大切な筋肉を鍛えるには、動かすことが基本です。
多くの人は
筋肉を使えていない?
普段の生活で立ったり座ったりして、足腰の曲げ伸ばしをしたり、物を持ち上げたり、指を使ったりすること自体が、筋肉を鍛えて筋力を維持することにつながります。
闘病で寝ついてしまい、日常生活を営むことができないと、たちまち筋肉が衰えるのはそのためです。
私はボディーワークの専門家で、日夜、筋力維持について考えている“筋肉フェチ”ともいえますが、現代を生きる私たちは、筋肉の使い方がわからなくなっているのだなあと、つくづく感じます。
どれくらい筋力があるのか?
私は大阪市教育委員会からの依頼で、年に何回か小学校でエクササイズを教えています。
まず子どもたちはどれくらい筋力があるのか、体の使い方を知っているのかを試すためにやってもらうことがあります。
それは「跪坐(きざ)」というものです。正座から立ち上がるときに、つま先だけ床につけてかかとを上げた状態になりますよね。簡単にいうと「つま先を立てた正座」のことです。
跪座ができない子が
大多数の現実
これができない子、やったことがないという子が圧倒的多数なのです。
最初はその事実に驚いたのですが、そもそも今の子どもたちの生活で跪坐が必要になる機会がほとんどないのです。
正座をする機会もないですし、和式トイレもほとんどなくなりました。
正座や和式トイレの
意外な筋トレ効果
この生活様式の変化が日本人の体の使い方、ひいては筋肉のつきかたに与えた影響は大きいと思います。
足首からふくらはぎにかけてしなやかに動かすことができなくなってしまったのです。思えば昭和の時代のお年寄りで、寝たきりになる人は、今ほど多くなかったように思います。
今より平均寿命が短かったこともあると思いますが、正座や和式トイレで腰を下ろしたり立ち上がったりすること自体が、けっこうな筋トレになっていたのかもしれません。
なお、体中の筋肉はつながっているので、足首やふくらはぎの筋肉が硬いということは、その上の太ももや腰のまわりの筋肉もカチカチになっている可能性が高いです。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。