「投資的観点」と「実需的観点」を兼ね備えた物件選びは、立地を間違えなければ価値が落ちにくいということを期待した戦略ということになります。

戦略(2)とにかく予算面で問題なく返せる
資金計画が立てられる物件を選ぶ

 戦略(1)は、都心部において有効な観点です。では、地方での物件選びを考える場合にはどうなるでしょうか。

 価値の落ちにくい地方物件はかなり割合が低いと覚悟しつつ、しっかり厳選していく必要があります。例えば新幹線停車駅から徒歩圏内など、その地域でも稀有な立地にこだわっていく必要がありそうです。

 ただ、マンションを買う人みんながみんな、将来の資産性を期待して買うわけではありませんよね。住み続けられるという恩恵を受けられるのであれば、立地や広さや仕様、そして、無理なく返せる予算計画が重要になります。

 地方は都心部よりも「投資的観点」を生かしにくいという特徴を理解した上で、無理なく支払いきれる生涯の住居費を考えて、「実需的観点」を重視した物件選びをしていくことになります。

 単身者向けの物件は、広さをそれほど重視しないという点でアドバンテージがあるため、無理なく返済できる予算という観点では、上手な買い方はしやすいといえます。

 ただ、税制などの制度、ローン商品などは対象物件に広さの基準を定めていることがほとんどで、一般的なファミリー向け物件で利用できるとされている住宅ローン減税やリフォーム補助、親からの非課税の贈与などが利用できないケースがあることも知っておきましょう。

 そうした情報を踏まえた上で、それでもその物件を選ぶのか、自分の判断の軸を磨いていく必要があります。

 マンション購入にはお金の扱い方もしっかり向き合って学び、判断していくことも必要となってきますが、上手に「ひとりマンション」を買えば、ファミリー向け物件とは違う強みを発揮することができます。購入したマンションは、これから先の人生を安心して過ごす上で、心強い味方となってくれるでしょう。