厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2022年)」によると、1986年時点で4割を占めていた夫婦と子どもの世帯は年々減少しており、2022年には25.8%に。

 標準世帯はこのグループのうち、子どもが2人で片働きの世帯を指すため、さらに割合が低くなります。

 一方、増加しているのは単身世帯。1986年時点では18.2%でしたが、2022年には32.9%と主たる世帯の構造になっていることがわかります。

 50歳時点での未婚割合(生涯未婚率と表現されることも)も上昇傾向にあります。

 1970年は男性1.7%、女性3.3%だったところから、2020年には男性28.3%、女性17.8%に上昇(令和4年版「少子化社会対策白書」[内閣府])。加えて、現在結婚していたり、子どもを育てていたりする人も、ゆくゆくはひとりで暮らす可能性もあります。単身で生活するということは、想像以上に身近なライフスタイルといえます。

 こうなってくると、マンションに求める間取りも、3LDKや4LDKが必要な家族構成や期間は限定的かもしれません。

 その点、次に買う人や借りる人を意識するマンション選びということで考えると、単身者の場合、実際に自分が住む間取りと、将来売ったり貸したりしやすい間取りが合致しやすく、上手な買い方を実現しやすい可能性が高いと考えられます。

「ひとりマンション」を
購入する際の2つの戦略

 私は、たくさんの方のマンション購入のサポートをしてきましたが、大きな買い物であるマンションを安全に買うには、

(1)「投資的観点」と「実需的(住まい的)観点」を兼ねている物件を買う
(2)とにかく予算面で無理なく返せる資金計画が立てられる物件を選ぶ

 という2つの戦略があると考えています。