「学業と学びは一体」
就職後も変わらない

 そう考えると、産学協議会や政府による大枠のガイドラインは残るにせよ、インターンシップのあり方や就職・採用活動の日程ルールは、より個別企業の判断に委ねられる方向に進むと思われる。

 さらに言えば、もともと日程などのルールは学業への悪影響を避ける目的が前提としてあった。その発想自体がそろそろ時代遅れになりつつあるのかもしれない。

 リクルート就職みらい研究所の栗田貴祥所長は次のように語る。

「従来よくいわれたのは『学生が早くから就職活動に時間を取られることで学業が疎かになる』ということです。しかし、実際の就活(企業訪問や面接など)はともかく、大学教育の一環としてキャリア教育を早い段階から行うことは非常に重要です。そのことによって、大学での学びの質や深さにプラスの影響があるはずです。そもそも『学業』と『キャリア』を分けて考えること自体が、これからの時代にそぐわないと思います」

 さらに、入社後についても同じことがいえる。以前はキャリアに必要な学びはほとんど特定の企業内において、仕事を通じて行われてきた。

 しかし、今やあらゆる業界で業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれ、AI(人工知能)の本格普及も目前に迫っており、「人的資本投資」の議論も盛んだ。

 岸田政権では「新しい資本主義」実現に向けた重点投資分野の最初に「人への投資」を位置付け、社会全体で学び直し(リカレント教育)を促進するための環境整備を掲げている。最近では個人のリスキリング支援として、5年間で1兆円を投じることも発表した。

 経団連SDGs本部長の池田三知子氏は語る。

「経団連では今『仕事と学びの好循環』の実現を訴えています。変化の激しい人生100年時代を迎えるにあたり、社会に出て働き始めてからも、折に触れて学び、また必要に応じて大学や大学院などで勉強し直すことが必要です。そのことをぜひ、学生の皆さんも親御さんも理解していただきたいと思います」

 こうした大きな時代の変化を踏まえた場合、学生時代に会社の仕事を実体験できるインターンシップを人生のキャリア形成の前哨戦という視点で見直すと、より納得感の高い就活ができるかもしれない。

インターンシップの
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 最後に、今回取材して分かった「今どきインターンシップの特徴」を下記にまとめたので、参考にしてほしい。