シリーズ初のBEVも登場。電動化した主力セダン「5シリーズ」の“BMWらしさ”を探る
*本記事はMEN’S EX ONLINEからの転載です。

BEVとマイルドハイブリッドで全モデル電動化

 BMWのミドルクラスセダン、5シリーズが約7年ぶりにフルモデルチェンジした。1972年に初代がデビューして以来、50年以上にわたって続く8世代目のモデルだ。

 注目のポイントは5シリーズ初の電気自動車(BEV)が登場したこと。並行して内燃エンジン車もラインアップしており、ガソリン、ディーゼル共に5シリーズ初の48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載している。

 ライバルとしてまっさきに挙げられるのがメルセデス・ベンツ Eクラスだが、こちらはBEVに関しては専用のプラットフォームをつくり「EQE」といった別のシリーズを展開する。一方でBMWは、1つのプラットフォームでBEVと内燃エンジン車をつくりわけ、そしてBEVをラインアップの一番上に置くという競合とは異なる戦略をとっている。

 日本に導入される新型5シリーズは、最上級グレードの「i5 M60 xDrive」と「i5 eDrive40」という2種類のBEVに加えて、ガソリンの「523i」とディーゼルの「523d」をラインアップする。

i5 M60 xDriveMパフォーマンスモデルであるi5 M60 xDriveは、カーボンリアスポイラーをはじめとしたM専用パーツでスポーティに演出。
インテリアカーブド・ディスプレイの採用により、スイッチ類が少なくすっきりしたインテリア。

 ボディサイズは、全長はついに5mを超えて5060mmに、全幅1900mm、全高1515mm、ホイールベース2995mmと、床下にバッテリーを収納する必要もあって先代よりもサイズアップしている。

 デザインはキドニー・グリルを垂直方向に拡大し、ツインヘッドライトを現代的に解釈した最近のBMWのトレンドを取り入れたもの。Cピラーには歴代モデルに受け継がれている斜めに跳ね上げたようなデザイン処理である、ホフマイスター・キンクを受け継ぎ、数字の5をエンボス加工したパネルを取り入れている。

 インテリアは、先代モデルに比べてボタン類を大幅に削減。ドライバーに向かってカーブしているディスプレイは、メーター表示を行う12.3インチとコントロール系統を集約した14.9インチの2つを組み合わせたものだ。そしてパネル中央からドアトリムにかけて立体的なクリスタル面をもったBMWインタラクションバーが配されており、走行モードに応じてアンビエントライトの色が変化するギミックが用意される。ステアリングの形状はフラットボトムタイプになった。一部モデルには、このステアリングをはじめ、シート、ダッシュボード、ドアパネルの表面に植物を主原料としながら上質なレザーと同等の風合いを実現した素材を採用している。