金利復活Photo:Bloomberg/gettyimages, Diamond

日本銀行がついに異次元緩和に別れを告げた。金融正常化に伴う金利上昇によって、借り入れの多い会社の利払い負担は増加する。「金利ショック」が経営を直撃する企業はどこなのか。「金利上昇に弱い」企業を独自ランキングであぶり出した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

「金利のある世界」が戻ってきた。これまでほとんど上がることのなかった借入金や社債に対する金利が上昇し、借入額を増やさなくても支払う利息が増加する。今すぐ、全ての借り入れや社債の支払利息が増えるわけではない。固定金利のものもある。しかし、いずれは償還や返済期限を迎え、借り換えることになれば、これまでよりも高い金利での資金調達を迫られる。

 金利が上昇する以前の時点で金利を支払う能力に乏しい企業であれば、今後さらに利払いの負担が重くのしかかることになる。

 そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業約4000社を対象に、利払い負担能力を検証してランキングを作成した。

 利払い負担能力を判断する指標として、「インタレストカバレッジレシオ」が一般的に知られる。

 ただしこの指標には、損益計算書上は費用でも実際は現金として手元に残り、利払いに充てることができる減価償却費などが考慮されない課題がある。そこで今回のランキングでは、通常のインタレストカバレッジの分母である「営業利益+受取利息配当金」に減価償却費やそのほかの償却費、のれん代の償却費を加えたものを分母とし、償却前ベースのインタレストカバレッジとして計算した。

 通常のインタレストカバレッジでも、1倍を切る状態は、利息を営業利益と受取利息配当金で賄えないことを示している。償却費を分母に加えた今回の算出法で1倍以下となると、利払い能力の欠如はさらに深刻である。

ランキングをまとめたところ、楽天グループやコナカといった有名企業や、大手電力会社がワースト上位にランク入りした。次ページではランキングの結果をお届けする。