日銀「次の利上げ」を左右する4大ポイント、米利下げ後ずれなら“前倒し7月”利上げもPhoto:kyodonews

異次元緩和解除後の日本銀行の次の利上げはいつになるのか。今後の金融政策を左右する四つのポイントから、政策金利の帰趨と共に株価や金利、為替への影響を予測する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之、編集委員 竹田孝洋)

日銀「次の利上げ」に市場の関心
メインシナリオは「10月以降に1回」

「基調的物価上昇率がもう少し上昇すれば、短期金利の水準の引き上げにつながるかと思う」

 日本銀行の植田和男総裁は、マイナス金利を含めた異次元緩和の解除を決めた3月の金融政策決定会合後の記者会見で、次の利上げについて問われてそう語った。

 金融市場の関心は今、日銀の追加利上げの時期に集まっている。現時点のメインシナリオは、日銀の追加利上げは10月以降に1回(無担保コール翌日物の誘導目標を0~0.1%から0.25%に引き上げる)というものだ。

 その前提条件は、今春闘の大幅な賃上げが物価に波及し、消費者物価上昇率が現状をやや上回る2%台で推移することと、米国の年内利下げ回数が3回(1回の利下げ幅0.25%)となることだ。現在、5.25~5.5%のFF(フェデラルファンド)レート(米国の政策金利)は4.5~4.75%に引き下げられることになる。

 日本の利上げ、米国の利下げという構図になるものの、日米金利差は依然として大きい。そのため円高が進行しても1ドル=140円台前半にとどまり、株価に大きな影響はないとみられている。10%前後の増益とされる2024年度の企業業績を織り込んで、日経平均株価の年内の上値は4万2000円前後だろう。

 では、こうしたメインシナリオの上振れ・下振れ要因や、25年以降の金融政策を左右する要素は何だろうか。

 次ページでは、日銀の「次の利上げ」を左右する具体的な四つのポイントと、シナリオの変動要因やシナリオによって変化する日銀の利上げ時期を分析。さらに、株価や金利、為替への影響についても予測する。