「幹事長交代」が衆院解散の前提、8月上旬にも内閣改造・役員人事自民党幹事長の茂木敏充(右)と首相の岸田文雄との不協和音が目立ち、両者の神経戦が激しさを増しているという Photo:JIJI

 自民党の権力闘争の象徴である総裁選は大型連休中から静かに始まる。本番に備えての仕込みが行われるのだ。過去にも連休が終わると、水面下で進んでいた動きが一気に表に出てきた。古くは1986年6月の衆院解散劇もそうだった。

 当時の首相、中曽根康弘は連休明けに突如として衆院解散を断行し、衆参同日選挙に持ち込んだ。いわゆる「寝たふり・死んだふり解散」だ。結果は自民党の大勝。中曽根は総裁任期1年延長のボーナスを手にした。秋に予定された総裁選は翌年に持ち越された。この中曽根の「1年間の任期延長」を実現したのが幹事長の竹下登。竹下も翌年の連休明けに田中派の簒奪に動き、経世会(竹下派)を結成、秋の総裁選でトップリーダーの座を手にした。

 その後も連休明けにしばしば政治が大きく動いた。会期150日の通常国会の会期末が6月に訪れるのと密接に絡むからだ。その点では今年の大型連休にも何らかの仕込みが行われていても不思議はないはずだ。ところが、今年の大型連休はこれまでのパターンとは明らかに様相を異にした。

 中でも9月の総裁選で再選を目指す首相、岸田文雄の沈黙はさまざまな臆測を呼ぶ。大半を外国訪問に費やし、政局的な動きとは距離を置いた。5月2日からのパリでの経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会出席後、その足で南米に飛びブラジル、パラグアイを訪問。どう考えても国内の政治的工作をしたとは思えなかった。