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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

『Yahoo!ファイナンス』で経済の「体温」や「血圧」の推移を診る

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第5回】 2007年12月3日
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 株価や為替レートなどの最近の市場データを見るには「Yahoo!ファイナンス」が便利だ。

 とくに便利なのは、時系列データをグラフ化して簡単に見られることだ。トップページの右側「マーケットサマリー」にある「TOPIX」「日経平均株価」などのボタンを押すと、グラフが現れる。

 他のデータとの比較をグラフに表すことも可能だ(「拡大チャート」で期間を指定し、表れた大きなチャートの下にある「比較チャート」で選びたい他データをチェックする)。これを見ると、さまざまなことがわかる。たとえば、TOPIXと米国$(円ドルレート)の推移を同一グラフに表すと、2007年になってからの株価と為替レートがきわめて密接に連動していることがわかる。

 3月、8月、11月の株価下落は、急激な円高と歩調を合わせて生じた。円高が進むと輸出関連産業の収益が悪化すると予測され、その結果株価が下落するのである。他方で、為替レートが円安に動くと、株価も上昇している。このことから、ここ数年の日本企業の高収益は、リストラ努力などの企業構造改革によるのではなく、円安によって支えられたものであると推測できる。

 データの表示期間は、10年までの範囲で選ぶことができる。最近のデータだけ見ていると、円高になったという印象ばかりが強いが、1999~2000年や2004~2005年には、もっと円高になっていたことなどもわかる。こうしたデータは、少し前のものでも意外と簡単に忘れてしまっているものだ(数字のデータを見るには「時系列」のボタンを押せばよい)。

 個別企業のデータも、「企業情報」のコーナーで入手できる。私が便利だと思っているのは、利益率や株式時価総額の最新データがただちに手に入ることだ。

 「株式ランキング」ページで見られる「時価総額上位」のランキングも面白い。 

 しばらく前から、任天堂がトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループにつぐ日本第3位の時価総額の企業となっており、その時価総額は日立製作所の3.5倍であることなどがわかる。

 以上のデータは電子データなので、数字をコピーしてエクセル・ファイルに移せば、PCでさまざまな計算を行なうことができる。第3回で述べた総務省統計局のようにエクセル形式で提供されているデータに比べれば面倒であるとはいえ、手作業でデータ入力することに比べれば、はるかに簡単に作業ができる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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