ANA客室乗務員(CA)として12年。500万人のお客様の対応で気づいた、行動・言葉・気づかい・テーブルマナー・習慣とは?テレビ、新聞でも紹介された「100%好かれる1%の習慣」。第7回目は【パブやスナックの女性が、男性から好かれる「ある理由」とは? 】です

パブやスナックの女性は、男性の話を聴くことで、
「カウンセラー」の役割を果たしている

 私は、心理カウンセラーの衛藤信之先生(日本メンタルヘルス協会代表)に師事し、心理学を学びました。衛藤先生からはじめに教えていただいたのは、

「人間関係を築き上げるためには、『聴くこと』が重要である」

ということです。

 衛藤先生は、来日していたアメリカ人大学教授を「スナック」に連れて行ったことがあります。
 すると教授は、「ここはいったい、どういう場所なのか?」と首をひねったそうです。

 お店の女性たちが、お客様の話を一生懸命に聴いている。その様子を見て、「こんな場所はアメリカでは見たことがない。女性スタッフがお客の話をただ聴いているということは、もしや、ここはカウンセリングルームなのか?」と口にしたといいます。

 衛藤先生が「ここは、お酒を飲むところです」と説明すると、教授は「日本にカウンセリングルームが少ない理由がわかった」と頷きました。
 なぜなら、アメリカのようにカウンセリングルームを設けずとも、日本にはスナックという名前の「悩みや愚痴を、一生懸命に聴いてくれる場所」がたくさんあったからです。

 アメリカに戻った教授は、さっそく「日本でカウンセリングがアメリカほど必要とされていないのは、スナックがカウンセリングルームの代わりとして機能しているから」であり、「女性スタッフが、お客の話を一生懸命に聴くことで、期せずして、カウンセラーの役割を担っている」ことを論文にまとめ、発表しました(ユニークな論調が評価され、この論文は賞を受賞したそうです)。

 この教授の論文からも、「人の話を聴くこと」が、人間関係には不可欠であることがわかります