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金融市場異論百出

格差問題とは距離を取っていた
FRBが直面する路線変更

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2013年5月8日
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 米ワシントンDC周辺の優良な住宅街は、全米でも有数の所得が高い地域である。豪邸が立ち並んでいる地区もある。

 一方、ホワイトハウスの最寄り駅であるマクファーソン・スクエアという地下鉄駅の入り口には大勢のホームレスの人々がいる。彼らは「ホワイトハウスはこちら」という案内板の下に横たわっている。世界の政治経済を動かす大統領官邸のすぐ近くにホームレスがいるという光景は極めて米国的だ。

 FRB調査によると、2010年時点で所得上位20%の家庭は全体の72%の富を保持する一方、下位20%の家庭が持つ富は全体のわずか3%だった。

 J・Z・ミューラー米カトリック大学教授は、資本主義における格差拡大は必然的副産物であり、特にグローバル化、金融化されたポスト工業化資本主義では、機会平等が広がっても格差は大きくなると指摘している。個人やコミュニティによって、経済の発展や進歩の機会を利用する巧拙に大きな差があるからだ(「フォーリン・アフェアーズ」13年3・4月号)。従来、多くの中央銀行家は格差問題とは距離を取っていた。金融政策でそれを解消することはできないからである。しかし、米国のようにここ数十年でこれほど激しく格差が広がると、考えを変える必要が生じてくる。

 例えば、S・B・ラスキンFRB理事は4月18日に、「所得や資産の格差の議論は、金融危機やその後の回復および今日の金融政策のあるべきコースをマクロ的に理解することにつながる」と述べた。

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