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「引きこもり」するオトナたち

お金がなくなったら死を見据えることに…
家族・世間に放置された40代男性の絶望

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第151回】

 読者の方々からは、本当に毎日、様々な反応のメールが寄せられてくる。そのうちの大半は、引きこもっているご本人たちからの声や近況報告などだ。

 忙しさにかまけて、すべての方に返信しきれていないことに恐縮しつつも、1つ1つの思いに触れるたび、胸が締め付けられるように感じられる。

前回のコラムで、引きこもり状態にあった人たちが、動き出そうと思ったときに、生活費や交通費程度のお金を貸し付けしてくれる自治体の支援制度を紹介した。

 しかし、現実には、お金がなくて、生活の展望を描けずに絶望している人たちも少なくない。今回、お金のなくなることは、死を見据えることになりかねない問題だというある事例を知ってもらいたいと思った。

中学時代に「神経症」を発症
6年間の引きこもり生活へ

 神奈川県に住む40代の引きこもり当事者Aさんにメールで連絡を取り、直接お会いしたのは、4月初め頃だ。人目が気にならないよう、マイカーの中で話を聞くことになった。

 「子どもの頃から、ずっと私は(世の中の)対象外でした。高校へ進学してしまうと義務教育ではなくなり、当時はサポートやケアがなかったんです。20代の段階で、どこに相談していいかわからず、40代になったいまもまた、公的な支援対象から外れ、最後の生活保護も受けられそうもない。常に、はじかれてきたんです」

 そうポツリポツリと語りかけるAさんは、 当連載で取り上げた大阪の発達障害男性の記事(『求刑超えの判決から一転、減刑へ「発達障害40代男性」を殺人犯にしたのは誰か』)を読んで、メールを寄せてくれた。

 「金銭問題を常に抱えてきたんです。お金がないと、病院も相手にしてくれないし、相談もできない。病院で自立支援を受けようとしても、“うつ病じゃないから、自立支援(1割負担)は受けられない”と言われた。こうやって歪んじゃった人間なので、どこか冷めた目で見てるんです、社会を」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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