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「引きこもり」するオトナたち

お金がなくなったら死を見据える男性に大きな反響
数多く寄せられた共感とアドバイスの中身とは

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第152回】

 前回の記事(『お金がなくなったら死を見据えることに…家族・世間に放置された40代男性の絶望』)が公開されて以降、読者の方からの近況報告や感想などが、1日のうちにどっと寄せられるようになって驚いた。

 それも、前回の記事に登場した、貯金がなくなる予定の3ヵ月後に死を考えているAさんに「他人事ではないから」と、励ましやアドバイスのメッセージだ。あるいは、「引きこもりフューチャーセッション」のアイデアで出てきた、当事者たちにお金が回る「ひきこもり大学」の仕組み案への期待が多く寄せられるなど、とても前向きな印象を受けた。

 また、そのメールの3分の2くらいが、自宅で引きこもる本人たちからの発信だったことにも注目したい。

 長年、社会とも誰ともつながりがなく、深い海でもがいていたような人たちが、Aさんの思いや「ひきこもり大学」に反応する。

 たくさんの「気づき」を得られたという人もいれば、自ら外に動き出そうとしている人もいる。「引きこもりでもできるんだ」と、ちょっとワクワクした人。いい方向に展開していくことを願って「陰ながら応援しています」という人。「引きこもりについて、知りたいことがあったら協力したい」という申し入れもあった。

 一方で、いまも「見つけられない答えを探し続けている」という人もいる。いずれにしても、そうした思いをこうして届けてくれること自体、大きな一歩だ。

 ネットを通じて、引きこもっていた人が、社会に情報発信を始めたり、引きこもりの人同士で横につながり始めたりしている。そんな時代の空気を感じている。

 せっかく勇気を出して発信していただいた声でもあり、その1つ1つの思いには敬意を表したいし、大事にしていきたい。そんな思いも込めて、今回は記事への引用を了承いただいた方のメールの一部を読者のみなさんにも情報共有させていただきたい。みんなで一緒に未来の仕組みづくりを考えていくための燃料にできればと思う。

「自分は人格障害だ」と自覚しながら
海外の宗教施設で生活する30代男性

 まずは、「Aさんのように働くことさえできなかった」と打ち明ける30歳代男性のメールを紹介する。

<私はこの人より症状が大きくて、今でもアルバイトが難しいです。けれど、負けん気が強いので、海外の宗教施設で共同生活を送ることができました。2年継続して、今年4月に、帰国。年末に出国します。もう日本には、帰らないでしょうね。居場所がないですから>

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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