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「引きこもり」するオトナたち

当面の生活費、就活の交通費に困ったら?
「引きこもり脱出」も助ける自治体の貸付支援制度

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第150回】

 多くの引きこもる人たちにとって切実なのは、動き出そうと思ったときに、「お金」という障壁が立ちはだかることだ。

 「仕事に就きたい」「何かを創り出したい」「誰かに会おう」と思い立っても、行動するには交通費がかかる。とくに交通の便が悪い地方に住む人たちにとっては、その地域の街に出ていくだけで、片道1000円、2000円…とかかることだってある。

 そもそも、周囲に頼る家族もなく引きこもっていて、将来の生活が見通せなくなっている人もいる。

 しかし、実はそれぞれの地域の自治体や社会福祉協議会(社協)で、お金の貸し付けなどの支援事業が行われていることは、一般的にあまり知られていない。

 はたして「引きこもり」当事者たちが、こうした支援制度を活用することは可能なのだろうか。

目黒区では最大90万円の貸付も
市区町村にある資金支援制度

 身近なところでは、各市区町村に、それぞれ独自の小口貸付制度があり、要件は自治体によって違う。

 例えば、筆者が住んでいる東京都目黒区を調べると、「応急福祉資金」という制度があった。

 これは、応急に必要とする資金の調達が困難な区民に貸し付けを行うもので、償還期限内に返済すれば無利子。ただ、貸付額が20万円を超える場合は、保証人が必要になる。

 貸し付け理由は、災害、病気、転居などの5つのケースで、貸付限度額45万円(入院は90万円)。「本人等の就職またはやむを得ない旅行に資金を要するとき」「本人等の一時的離職・休職により、生活費に困窮するとき」「食糧その他日常の生活必需品の購入に資金を要するとき」「家賃の更新料に資金を要するとき」の4ケースで、貸付限度額が20万円となる。

 目黒区生活福祉課によると、貸し付けをして翌月から返済が始まる。原則的には、定期的な返済の見込める収入がある人、もしくは仕事が決まっていて、その見込みの収入のある人が対象になる。つまり、あくまで一時的な資金で、翌月から返済が見込める収入のない人は利用できない。

 対象は世帯主となり、利用できるかどうかは個別相談によって判断されるという。

 審査期間は1~2日程度。貸付中の利用者は現在506件と、意外に少ない。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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