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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

「習近平新政」を反映し
値下げに走る中国の高級レストラン

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第154回】 2013年5月9日
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 先月、1週間ほど取材旅行で青島に滞在していた。朝食はホテルで、お昼は取材先で済ませるが、夕食はほとんど自分で選ぶ。

 ご存じのように、青島はドイツ風の建築物がたくさん残る旧市街地と、高層ビルが林立する新市街地からなっている。だから、レストラン選びも自然と旧市街地と新市街地に分かれる。中国の地方都市のなかで、青島は訪問回数がダントツに多い町だ。地図を見なくてもだいたい町を回れる。だから、到着日の夕食は観光気分も兼ねて、関係者みんなを連れて、旧市街地のランドマークでもある桟橋あたりに行って、そこで適当なレストランを探そうと考えた。

 青島の桟橋あたりの建物は、上海人の私から見ればやや上海の外灘あたりと似通う。海風に吹かれるままにその辺を散策するのが大好きだ。道路沿いに並ぶドイツ風の建物は、歴史の香りを感じさせる。その雰囲気にしろ、その空気にしろ、心の琴線に触れ、いつもある陶酔感を覚える。

敷居を下げた高級レストラン

 その海沿いの、歴史的重厚感をもつ洋館にあるレストランで食事するのが好きだ。料理の美味しさを楽しむこと自体も愉快だが、食事をしながら、歴史の香りの薫陶も受けること自体がたまらないほど素敵だ。

 しかし、これまでは桟橋あたりの洋館にあるレストランは、実は私はそんなに利用していなかった。自分のポケットマネーで負担するには、ちょっと高すぎたからだ。だが、今年に入ってからは、事情が変わった。目玉が飛び出るほど高価な料理を売り物にしていた高級レストランが、申し合わせたかのように敷居を下げた。1年前いや半年前と比べてだいぶ入りやすくなったと知った私は、関係者たちを一等地といってもいいほどの桟橋に連れてきて、見るからに高級そうなレストランに足を踏み入れた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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