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MRI事件誘発の構造問題

週刊ダイヤモンド編集部
2013年5月13日
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マンパワー不足で金融庁の監視の目もおろそかに
Photo by Satoru Okada

 「不思議としか言いようのない金融商品がある」――。こんな書き出しで週刊ダイヤモンド2007年6月16日号特集「金融商品の罠」が、名指しで疑問を呈したものがある。

 その商品の名は「MRIシリーズ・セレクトA」。そう、1000億円にも上る顧客資産が消失した恐れがあるとして、証券取引等監視委員会(SESC)が強制調査に乗り出した米MRIインターナショナル(本店・ネバダ州ラスベガス)が販売したものだ。

 円建ての元利確定で年利6~8%と夢のような高利回り。本誌では、為替リスクがほとんど無視されていたこと、デフォルトリスクの中身が不透明なこと、こうした有利な商品をわざわざ日本の個人投資家に販売していることの三つの疑問点を指摘したうえで、MRIに取材を申し込んだ。

 結果は「基本的に取材は受けない」と門前払いされたため、「問題のある商品」とは断定できなかったが、投資家にはこうした疑問点を会社にただしたうえで判断するよう勧めていた。

 それから6年後に発覚した今回のスキャンダル。日本の当局は米証券取引委員会(SEC)の協力を得て米国の口座も調べたが、少なくとも11年以降は集めた資金を運用せずにそのまま出資者への配当や償還金に充てる自転車操業だったことが分かった。

 今回の被害者の多くは、日本の富裕層だが、なぜかくも簡単にだまされたのか。信用を高めるため、当初は配当を続けるというのは、AIJ投資顧問の事件でも見られた常套手段。それ以外にも「手口の巧妙化が目立つ」と、あるファンド経営者は解説する。

 今回の商品は米国の医療機関による患者の加入する保険会社に対する診療報酬請求権をファンド化し、運用したものだ。「診療報酬なら取りっぱぐれはない。表面的には実にうまいスキームに見える」とこのファンド経営者は語る。マスコミで派手な広告を展開し、特に高額の出資者は、本店があるラスベガスへの旅行に招待するなど、手厚くフォローもしていた。

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