起業の苦難や楽しさを「仲間づくり」の視点から赤裸々に描いた『ともに戦える「仲間」のつくり方』の著者、南壮一郎氏。今回は、ライフレシピ共有サイト「nanapi」を運営している古川健介氏との対談の前編をお届けします。ともにインターネットサービスを運営している2人の共通点と違いとは?(構成:朝倉真弓)
エンジニアと「サービスがつくれる人」は違う
南 本(第2章)でも触れていますが、古川さんは、ビズリーチを立ち上げる前のブレストミーティングにも何回か来てくれました。その際、古川さんに「エンジニアでいい人いない?」って尋ねたら、「エンジニアは知りません」とばっさり切られて(笑)。ただ、「個人がやっている面白いサイトはいくつか知っています」ということで、その情報を教えてもらいました。そのなかには、のちにビズリーチの創業メンバーとなる園田がやっていたサイトもあったんですよね。
古川 あの時感じたのは、南さんはエンジニアが欲しいと言っているけど、本当に探しているのはエンジニアではなく、「サービスをつくれる人」なんだろうな、ということでした。エンジニアとサービスをつくれる人は違うという話は、実際に体験しないとわかりづらいので、南さんには自分の手でサービスを展開している人を紹介したほうがいいだろうと思った記憶があります。逆に、すごいプログラムが書ける人が南さんとくっついてしまうと、やりたいサービスが実現せず、絶対に失敗するだろうなと(笑)
南 なるほどね。僕の考えをサービスにまで落とし込める人という要素を意識してくださったんですね。その後、僕は古川さんのアドバイスを鵜呑みにして、100ぐらいのサイトの管理者にお会いしたいとメールを送りました。
古川 それはすごい!
南 そうしたら3人から返事がありまして。その一つが、さっき言った創業メンバーの園田。そのほかの2人とも、未だにお付き合いが続いています。振り返ると、創業当初という時期は、こうしたがむしゃらな熱意が重要なのではないかと思うんです。