ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
女性社員のトリセツ
【第8回】 2009年11月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

「やりたい仕事、好きな仕事をやらせて!」
なぜ、女性部下はそんなにこだわるのか?

1
nextpage

やりたい仕事にこだわる女性部下
責任ある仕事を任せたい上司

 不況時に学生生活を送ってきた就職氷河期世代の若手は、男女を問わずとにかく真面目です。自炊中心でコツコツ貯金するのは当たり前。バブル世代のように給料が上がり続けると信じ、洋服や食事、デートなどに無駄な出費をすることも少ないようです。もちろん、その真面目さは就職活動時にも発揮されます。業界研究にも真摯に取り組み、企業選びも単なるイメージだけでなく、仕事内容まできっちり吟味して「こういう仕事がしたい」と語れる学生は珍しくありません。

 しかしその一方で、「責任ある仕事を任せたいのに、やりたい仕事へのこだわりが強すぎて、融通が利かない」「少ない経験しかないのに、なぜ『自分はこれがやりたい』と言い切れるのか」と、彼らの仕事へのこだわりぶりを訝る、企業の経営者や人事担当者の声も多く聞かれます。

 この、「やりたい仕事」へのこだわりぶりは、天職ドリームさんに特に顕著です。

 ある天職ドリームさんは、「オイルがベタつくから」という理由でアロマセラピストを断念しました。実家暮らしなどの理由で、必ずしも安定した収入を必要としない女性の中には、「趣味や好きなことを生かして、やりがいのある仕事がしたい」と考える人も少なくありません。ただ、「やりたい仕事がしたい」という若手と同じく、本当にその仕事が自分に向いているのかが見えておらず、ささいなつまずきですぐ夢をあきらめてしまうのが、彼女たちの特徴です。

 なぜ、これほどまでに彼女たちは「やりたい仕事」「好きな仕事」にこだわるのでしょうか。それは、先述のように締め切り意識から来る自分軸志向に加え、個性重視の「ゆとり教育世代」ゆえ、自己相対化能力が弱い、というひと言に尽きます。

 本来、自分らしさとは他者と比較して初めてわかることです。しかし、個性を大切にと言われ続けた結果、関心が自分の内へ内へと向いてしまい、限られた自分の経験の中から「やりたい仕事」を決めつけてしまっているきらいがあるのです。

 そして、現実とのギャップを矯正しきれないまま、また次の「天職」を求めてスクールに通ったり、見栄えのいいカタカナ職業を求めて転職活動をし続けたり……。いつまでも腰が落ち着かず、40歳を超えても夢をころころ変え続けているという笑えないケースもあります。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

株式会社FeelWorks代表取締役、青山学院大学兼任講師。
1966年兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学経済学部、早稲田大学ビジネススクール・マーケティング専攻卒業。株式会社リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」等の編集長を歴任後、多様な働く人の価値観に精通した知見を活かし、2008年に株式会社FeelWorks設立。コミュニケーション循環を良くすることで温かい絆を育み組織の体質を変えていく「コミュニケーション・サイクル理論」(CC理論)を構築。「絆」と「希望」作りによる人材育成というユニークなコンセプトで話題を集め、『上司力研修』『キャリアコンパス』『Feelリーダーシップ』など独自プログラム、人間味溢れる講師育成にも力を注ぎ、多くの企業で好評を博している。
その親しみやすい人柄にファンも多く、人を育て組織を活かす「上司力」提唱の第一人者として自ら年間100本超のセミナーもこなす傍ら、テレビコメンテーター、コラム連載などでも活躍中。現場視点のダイバーシティマネジメント、リーダーシップ開発、キャリア論に定評がある。
主な著書に『若手社員が化ける会議のしかけ』(青春出版社)、『女性社員のトリセツ』『上司力トレーニング』 (共にダイヤモンド社)、『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』(光文社)、『はじめての上司道』(アニモ出版)、『頭痛のタネは新入社員』(新潮社)、『組織「再起動」プログラム』(ビジネス社)など多数。2011年度から青山学院大学で「キャリアデザイン特別講座」の教鞭もとる。

ブログ 「前川孝雄の“はたらく論”」 http://ameblo.jp/feelworks-maekawa/
ツイッターアカウント @feelworks

 


女性社員のトリセツ

男性管理職にとって悩みのタネは女性社員。こんなに気遣っているのに、どこかしっくりこないのはなぜ? 女性社員の本音と上手なつき合い方を解説していく。

「女性社員のトリセツ」

⇒バックナンバー一覧