旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第47回】 2013年5月24日 車 浮代

世界を飢えから守ってきた「蚕豆《そらまめ》」
天に向かって伸びるため、「空豆」「天豆」とも

 於多福豆《おたふくまめ》、一寸豆、唐豆、刀豆《たちまめ》、はじき豆、四月豆、大和豆、夏豆、いかり豆……など、そらまめの呼び名は数多くあります。

 一般的な漢字使いは蚕豆と空豆ですが、「蚕《かいこ》」の字を使うのは、さやの形が蚕に似ているから、あるいは蚕が繭《まゆ》を作る時期に美味しくなるからだと言われています。

焼蚕豆
【材料】蚕豆…お好みの量/塩…適量
【作り方】 ①焼き網に蚕豆をさやごと並べ、ひっくり返しながら中火でじっくりと焼く。②両面をしっかりと焼いたら、さやを開け、塩を添える。

 「そらまめ」という呼び名とともに、「空」の字を使うのは、実が天に向かうからだと、宝永6年(1709年)に刊行された、貝原益軒の『大和本草』4巻に書かれています。

 また、「於多福豆」は豆の形がおたふくの顔に似ているからで、「一寸豆」は豆のサイズが一寸(約3cm)だから、「唐豆」は唐から伝来した豆だから、「刀豆」はさやが刀の形に似ているから……と、それぞれに理由があります。

 現在では、完熟させた乾燥豆を甘く調理したものを「おたふく豆」、薄皮ごと揚げたものを「はじき豆」や「いかり豆」と呼び分けることが多いですが、元は全て同じです。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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