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職あれば食あり

ランチはなんと34人前!?
実は過酷な料理研究家のお仕事

まがぬまみえ
【第43回】 2013年5月16日
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 「好き嫌いをなくそう」と言われて育った人は多いと思う。なんでもおいしく食べられれば、それに越した事はないのだが、嫌いなものを好きになるのは簡単ではない。料理研究家のコマツザキ・アケミさん(40歳)の場合もそうだった。

 「じつは私、食べ物の好き嫌いが人より多いのです」

 料理の道を志す人間が好き嫌いを言うなんてどうなのよ、と自分でも思っていた。だから、最初の頃は堂々とそれを告白することはできなかった。

 食べられない食材が皿の上に載っていると、無理して食べるか、周囲には悟られないようにそっと取り分け、隣の人に食べてもらうなどしてピンチを切り抜けて来た。そんな経験が誰かの役立つこともあると知ったのは、ずっと後になってからのことだと言う。

1品あたり2人前か4人前
徹夜で試作し、気づけば朝に

撮影の日のコマツザキさんのランチ。この日調理したのは15品目。なかには4人前もあったため、合計で34人分。これを、カメラマンやアシスタントなどたったの4人で平らげる

 まずは右の写真をご覧いただきたい。これはある日、コマツザキさんが撮影用に調理をし、それをランチとしてスタッフ全員でいただく前の写真である。

 テーブルの上に山とならんだごちそうを見て、みなさんは「おいしそうだ」と思うだろう。しかし、内情を知っている関係者ならばおそらく、まったく違う感想を抱くはずだ。

 「たとえば、肉料理をテーマに特集を組みたいという依頼があったとします」

 コマツザキさんの解説によると、撮影のために作るレシピの数は一度におよそ10品目から30品目。それらを1ヵ月で仕上げてくれという依頼もあれば、2週間、あるいは1週間で、という場合もある。本であれば仕上げるまでの期間は長くなるが、品数は一気に100から300品目にまで増える。

 「ということは肉、肉、肉、鍋、鍋、鍋のように、毎日、同じメニューばかりを食べ続けなくてはいけないことにもなるのでしょうか?」

 「そうなんです。季節によって使える旬の食材も同じ。だいたい、そういう時に限って、どうしても違うものが食べたくなっちゃうんです」

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