テレビや駅の広告、テレビ番組の中で紹介されるイベント…なぜ、東京ディズニーランドのブランドはこの露出量がありながら保たれるのでしょうか?そこには、開業時から徹底して行われたブランディングの仕組みづくりがあったのです。

情報量も意識的に増減させる

 開業当時、メディアには、たくさん東京ディズニーランドに関する報道が出ました。今も新しい施設やお店がオープンすると一時的にあらゆるテレビ、雑誌やネットなどで取り上げられますが、あのような勢いでした。ありがたいことでした。それはそのまま、東京ディズニーランドのPRになるからです。

 しかも、そのほとんどが、ディズニーによってチェックを受けたもの。あるいは、しっかりディズニー側がアテンドして作られたものでした。不本意なイメージのものは外には出ない。

 ブランドコントロールされた情報だけが、報じられることになる。これが、どれほど東京ディズニーランドの成功に寄与したか、ブランドイメージの向上に役に立ったか、ご想像いただけると思います。

 ところが一方で、当時のカウンターパート、ノーム・エルダーは、私にこうも言っていたのです。

「重要なことは、マスコミに露出し続けることではない。永続的に取り上げてもらうということだ」

 要するに、あまりに露出し過ぎるな、ということです。露出し過ぎると読者や視聴者から飽きられてしまう。マスコミにとっても、新鮮味がなくなってしまう。出し惜しみも心がけよ、というのです。

 では、一体どのようなコントロールをしていたのでしょうか?