ディズニーランドの知られざるマーケティング。「これでもか、これでもか」という言葉に表されるように妥協のないブランディングとは?今回は、集客・リピーター獲得のために欠かせない、「ブランド」についてお話したいと思います。

ブランド=露出はすべて把握する

東京ディズニーランドのマーケティングに携わっていて、何よりも印象的だったことがありました。それは、ディズニーブランドが、いかに徹底して管理されているか、ということです。

 ミッキーマウスが生まれて80年以上。どうしてこれほどまでに、輝きを放っているのか。それは、驚くほど厳格にブランドが管理されているからではないか、と私は感じました。しかも、それはキャラクターに限らないのです。

 これは先にも書きましたが、人材募集広告を人事部が出すとき、ディズニーのロゴやミッキーのロゴを使ったりします。こういうときには必ず、マーケティングに「使っても構わないか」という申請が上がってきます。

 世の中に触れる東京ディズニーランドに関わるものは、すべてマーケティングがコントロールしていたのです。

 人材募集をする広告についても、人事から上がってきたものを承認するのは、マーケティング。正確に言えば、アメリカのディズニー社のカウンターパートによるクオリティ・コントロールでした。

 マーケティングがいかにブランドをコントロールしていたのか。当時の日本企業には類を見ないほどの緻密な決まりごとがあったのです。