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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

日本酒は「日本の酒」から「世界の酒」になれるか?

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第11回】 2013年6月4日
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 世界各地のバー、レストラン、酒屋、スーパーマーケット等で広く見られる代表的な酒というと、ビール、ワイン、ウィスキーです。果たして、日本酒はこうした「世界の酒」の一角を占めることができるのか?専門家の意見も交えて考察します。

世界の酒へ向け
第一歩を踏み出した

 仮に「世界の酒」を、広く世界でつくられ流通し飲まれているお酒、逆に「地域の酒」を、限られた地域でつくられ流通し飲まれているお酒と定義します。すると、それぞれ程度こそ異なるものの、ビール、ワイン、ウィスキーは、まさしく世界の酒といえるでしょう。

 一方、国内の販売量が過去30年間で3分の1近くになり、国内市場の縮小に歯止めがかからない、我が日本酒はどうでしょうか。まず、そのほとんどが日本でつくられています(アメリカ等一部の海外産を除く)。次に、主に日本国内で流通し、日本人が飲んでいます。輸出量は、過去10年で倍増したとはいえ、販売量全体のわずか2%程度で、絶対量としては日本へのワイン輸入量の約10分の1に過ぎません。

 また、海外での流通先の多くは日本食レストランや日本食材店、飲む人の多くは海外に住む日本人や、日本に行ったか住んだことがある外国人です。つまり「ジャパニーズコミュニティー」で、製造・販売・消費がほぼ完結する「地域の酒」なのです。

 ところが、ここ10年ほど前から、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、パリなどの大都市を中心に、一部とはいえ高級バー、レストラン(フレンチやフュージョン系)、酒屋、スーパーマーケット等で日本酒を見かけるようになりました。

 たとえばここパリでも、クリヨン、リッツ、マンダリン、シャングリラ、ロイヤルモンソーなど最高級ホテルのバーカウンターに日本酒が並びます。そして、日本に行ったことも住んだこともない外国人が、日本酒を飲み始めています。このように日本酒は、世界の酒に向けて一歩を踏み出した初期段階にあるといえます。

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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