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バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

縫製が輸出の8割を占めるバングラデシュで
日本のブラザー製ミシンがフル回転

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第2回】 2013年5月15日
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 「バングラデシュで商売などできるのか?」

 これが日本人ビジネスパーソンの率直な印象だろう。最近は、縫製工場が入居するビルの倒壊や火事など、想像を超えたアクシデントと背中合わせでもあり、バングラデシュのイメージは決していいものではない。

 今回はその縫製工場が舞台だ。バングラデシュの縫製は輸出の8割を占める一大産業だが、実は100人規模の小規模工場が多く、それが雑居ビルに入居する形で生産活動を行っている。

 筆者は、ダッカ空港にほど近いウットラ地区の縫製工場を訪ねた。土埃舞う路地に面して立つ複数階建ての工場は、「ここが工場だ」と言われなければ素通りしてしまいそうな、雑居ビルのような外観だ。民家や売店、工場がひしめき合うその道は、トラックも往来すれば、商人や学生、ヤギや野良犬も行き交う雑多な界隈である。

民家や売店、工場がひしめき合うジーンズ工場の周辺 Photo by Konatsu Himeda
「Fashion Flash」経営者のハラルさん Photo by Konatsu Himeda

 地元資本の「Fashion Flash」という名のその会社は、1995年の操業以来、H&Mを主要顧客にここ数年デニムの縫製で急成長を遂げた。ウオッシング(洗い)、ダイイング(染め)からソーイング(縫製)までの一連の作業を手掛ける。バングラデシュに5工場・8000人が働き、1日2万5000着の生産が可能だ。見かけは確かに“雑居ビル”だが、外国とも取引のある中堅工場である。

 バングラデシュではメディアはノー、カメラもノーという工場は少なくないが、同社は違った。「我々はコンプライアンスを重視していますから」と社長のハラル・ウッディン・アーマドさんは胸を張る。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

アジア最貧国といわれるバングラデシュが動き出している。新・新興国として「ネクスト11」にも数えられ、生産拠点として、また市場としての潜在性も見込まれている。だが、日本にとってはまだまだ遠い国。停電、渋滞、政権の不安定が進出を躊躇させるのが現状だ。他方、そのバングラデシュは日本なしでは立ち行かない国といっても過言ではない。親日感情はインドを上回るともいわれ、両国間の友好関係は深い。そんなバングラデシュに“チャイナプラスワン”の可能性はあるのか。最新情報を現地ルポでお伝えする。

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