再生手続き中の名門ゴルフ場・太平洋クラブグループの再生スポンサーがようやく決定した。最終的に契約を結んだのは、パチンコホールで断トツを誇るマルハンだ。パチンコ関連企業がゴルフ場事業に進出するケースが増加するなか、韓裕・マルハン社長に、今回の投資の勝算と、今後の事業の方向性を聞いた。

――太平洋クラブのスポンサーに名乗りを上げたのはなぜですか。

マルハン社長 韓裕 <br />太平洋クラブへの投資額は適正 <br />エンタメ産業にゴルフ場は不可欠Photo by Toshiaki Usami

 マルハンはパチンコホールを全国で286店舗(2月末)展開しており、売上高は2兆0791億円のトップ企業です。経営理念は「人生にヨロコビを」です。現在はパチンコホールが事業の中心ですが、将来的には総合エンターテインメント企業として、人びとにさまざまなサービスを提供していくことを目指しています。

 例えばレストランなど飲食事業の売上高は150億円あり、ほかにもボウリング、カラオケ、ビルメンテナンス、カンボジアでの銀行事業などを展開しています。大阪で韓流テーマパークを計画しているほか、都内では大型の劇場運営も検討中です。パチンコホール運営で培ってきたおもてなしサービスのノウハウ、人材、組織力を使って、サービスシーンを広げたいと考えています。

 ゴルフ場事業にも魅力を感じており、それこそ30年以上前から検討を重ねてきました。個人的にもゴルフは好きで、頻繁に楽しんでいます。

――パチンコ・パチスロ機製造大手の平和がゴルフ場大手・PGMホールディングスを買収したのと同様に、セガサミーホールディングスはフェニックス・シーガイア・リゾートを買収しました。パチンコ関連企業がゴルフ場にアプローチする動きが目立っています。

 各社、さまざまな理由を持っていると思いますが、根底にはエンターテインメント産業にとって、ゴルフ場事業は欠かすことができないものの一つだからでしょう。これまでも多くのパチンコ関連企業がゴルフトーナメントの冠スポンサーを引き受けてきました。事業領域を拡大する際に、ゴルフ場は検討される事業の一つだと思います。